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豚流行性下痢(PED)にご注意ください
茨城県農林水産部畜産課



  平成25年10月に沖縄県で発生が確認された以降,11月には本県の2農場で,また,12月になって鹿児島県や宮崎県でも発生が確認されています。
PEDの症状
 哺乳豚では嘔吐と水様性下痢が見られます。特に10日齢以下の子豚では黄色で水様性の下痢をし,急速に脱水状態となるため体重が急減します。発症豚の多くは3〜4日の経過で死亡することが多く,致死率は50〜100%に達します。
 繁殖豚では食欲減退や発熱が認められ,嘔吐や下痢をすることもあります。また泌乳の低下や停止が認められこともあり,哺乳豚の症状を悪化させる原因となります。このような症状が認められた際には,直ちに管轄の家畜保健衛生所にご連絡下さい。
PEDの衛生対策
 農場内にPEDウイルスを入れないことが重要です。飼養衛生管理基準を遵守するとともに以下の対策を毎日の作業の中に取り入れて実施してください。
●朝の飼養管理・健康チェックで下痢や嘔吐を起こしている哺乳豚や母豚がいないか確認する。
⇒通常と異なる下痢や嘔吐が見られた場合には速やかに家畜保健衛生所にご連絡下さい。
●新たに豚を導入する場合は隔離豚舎で2〜4週間,健康観察を行う。
⇒PEDウイルスの農場への侵入は,感染豚の導入や感染豚の糞便に汚染された物品等が農場内に持ち込まれる事が原因と考えられます。
●豚の運搬に使う車両は農場の出入りの際,タイヤや荷台の消毒を十分行う。
⇒複数の畜産関係車両が出入りする家畜市場やと畜場等の施設では,他農場由来の豚糞便に汚染される可能性があります。家畜運搬車は車両全体,特に荷台の洗浄・消毒を行って下さい。
●豚を出荷する際は出荷豚の臨床症状をよく観察し,下痢等の異状がないかを確認する。
⇒PEDに感染している豚を移動させることで,ウイルスを周囲に拡散させてしまいます。異状が見られた場合は出荷を停止し,家畜保健衛生所に連絡願います。
●排泄物が適切に処理されているか確認する。
⇒農場内にPED感染豚がいた場合,PEDウイルスが糞便中に大量に排泄されます。固形分は発酵処理,液体分は液肥化処理を完全に行いウイルスを失活させて下さい。 
●他の養豚農場への出入りや部外者の農場内への立ち入りは極力控える。
⇒やむを得ず,他の農場に入る場合や部外者を農場内に入れる際は,履物と衣類を交換して下さい。
●PEDワクチンを接種する際は用法,用量を守り,ワクチン接種した母豚が十分の乳を分泌しているか,また,子豚が乳を十分飲んでいるかを確認する。
⇒PEDワクチンは母豚に接種し,子豚へ乳汁を介して免疫を付与するワクチンですので,しっかりと子豚に乳汁を飲ませて下さい。
●車両消毒に適する消毒薬
⇒PEDウイルスには,全ての消毒薬が効果はありますが,金属への腐食や着色を避けたい場合は,逆性石けんやアルデヒド系を使用する又は消毒後水洗するなどを行ってください。また,消毒薬は,正しい濃度に希釈してご使用下さい。

<連絡先>
県北家畜保健衛生所 TEL 029-225-3241
鹿行家畜保健衛生所 TEL 0291-33-6131
県南家畜保健衛生所 TEL 029-822-8581 
県西家畜保健衛生所 TEL 0296-52-0345