常陸牛の生産から流通・販売、研究などさまざまな立場の有識者で構成する「新ブランド常陸牛ブランディング検討委員会」を設置し、ブランド基準や販売ターゲットなどについて検討を重ねてきました。
風味や口溶けの良さに関わる「オレイン酸」や口当たりの良さに関与する「小ザシ(きめ細かい霜降り)」など、“和牛のおいしさ”に着目した全国初の基準で厳選した「常陸牛煌」を立ち上げました。



放牧の様子
茨城県では、肥育農家による飼育技術向上だけでなく、「常陸牛煌」を生産するための優れた母牛の育成など、繁殖農家による地道な育種改良も行われています。「常陸牛煌」は子牛生産から肥育・出荷まで、県内で一貫した生産体制のもと、産地が一丸となって生産に取り組む最高品質のブランド和牛です。
常陸牛の通常の飼育期間は28か月程度ですが、さらに60日も長い30か月以上の期間をかけてじっくり肥育することで、赤身のうま味やオレイン酸が増すだけでなく、より小ザシになりやすく、やわらかくおいしい肉に仕上がります。

県内で肥育される牛

「常陸牛 煌」のサーロイン
牛枝肉取引規格のうち歩留等級は、部分肉の歩留まりが良いもの(枝肉から食べられる肉が多く取れるもの)からA、B、Cに格付けされます。通常の常陸牛ではB等級以上を基準としているところ、より実需者から高く評価されるA等級のみを「常陸牛煌」と認定しています。
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は融点が13℃と低い特徴があり、オレイン酸が多い牛肉は風味や口溶けがよく、ジューシーな食感になります。さらに、オレイン酸を多く含んだ脂が口の中で溶け出すと、肉汁と融合し、和牛本来のうま味や香りを増強させる効果が期待されます。

「常陸牛 煌」のサーロインステーキ

専用測定器での測定
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赤身肉に入った脂をサシ(霜降り)といい、きめ細かく均一なサシを「小ザシ」といいます。小ザシの牛肉は、筋肉内の結合組織の構造が弱まり、食感がやわらかくなるだけでなく、霜降りの美しさが見た目にも好まれ、食肉関係者から高く評価されています。これまでは人の目と経験に基づき判断されていましたが、新たに、小ザシを数値化できる専用測定機を導入することで、全国で初めて「小ザシ」をブランド基準に採用しました。
厳しい基準をクリアしたものだけが「常陸牛煌」に認定され、産地証明書が発行されます。
これまでの認定状況は下表のとおりです。

【 常陸牛煌の認定状況 】
令和7年4月末時点
年度 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 年度計 |
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令和7年 | 46 | 18 | 64 | ||||||||||
令和6年 | 13 | 9 | 17 | 19 | 18 | 11 | 12 | 18 | 21 | 14 | 12 | 35 | 199 |
令和5年 | – | – | – | – | – | 18 | 9 | 30 | 29 | 8 | 16 | 17 | 127 |
単位 : 頭