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レンコン残さの豚への給与試験を行いました
茨城県畜産センター養豚研究所




 養豚を取り巻く情勢は依然厳しく,特に飼料価格の高騰は経営を圧迫しています。養豚経営の飼料コスト削減対策の一つとして,農産物等の残さを利用した飼料の活用が全国で検討されています。
 また,国においても飼料自給率の向上を目指しており,平成24年度に26%(概算)であったものを平成32年度目標として38%を掲げています。
 茨城県においては年間3万トンを超えるレンコンが生産されており,全国一位を誇っています。しかし,生産及び流通の過程で毎年1,200トンを超える残さも発生してる現状があります。
 そこで畜産センター養豚研究所では地域で産出されるレンコン残さの活用を考え,豚の飼料に混合して給与し,その発育や肉質を調査してきました。
 その結果いくつかの知見が得られましたので紹介いたします。
 試験に使用した豚は当所で飼養しているWLD種で,体重が70kgになった時点から出荷まで給与しました。 





1 生レンコンを市販配合飼料に混合して給与
 まず,市販配合飼料に1日当たり450g(約15%)の生のレンコンを砕いて与えた豚と,市販の配合飼料のみを与えた豚を比べました。その結果,肥育成績,枝肉形質及び肉質に差はなく,影響を及ばさないことがわかりました。また,レンコンを給与した豚では全飼料摂取量は増加しましたが,市販配合飼料の給与量を1頭当たり約10kg低減することができました。




2 レンコンをサイレージ化して市販配合飼料に混合して給与
 生レンコンの生産時期は限られており,年間を通しての利用は困難です。そこで,レンコンをサイレージ化し給与してみました。
 サイレージ化の方法ですが,レンコン残さを破砕,天日干し乾燥したのち,水分約70%でビニル袋と漬物樽で踏圧密閉してサイレージ化すると,カビの発生も少なくなり,年間を通しての利用が可能となりました。
 このサイレージを,市販配合飼料に20%と30%混合した場合と市販配合飼料のみを給与した豚を比べました。その結果,30%給与した豚では体重の増加が悪く,20%給与した豚は市販配合飼料を給与した豚と比べ同程度の発育成績でした。また,肉質にも大きな差はありませんでした。
 これらのことから,生レンコンの15%の給与やサイレージ化したレンコンの20%までの給与は豚の発育や肉質に影響なく活用できることがわかりました。