今年,27年も早いもので水戸の観梅を迎える季節となりました。
今年の元旦の朝,ラジオから流れてきたのは小美玉市空の駅「そ・ら・ら」での乾杯条例施行による乳製品(ヨーグルト)の振る舞い酒ならぬ「振る舞い乳製品」のニュースでありました。乾杯条例成立にいたる関係者の努力を思いつつこの企画の素晴らしさに新年早々,酪農と牛乳のPRができ牛乳の普及活動として良いスタートになったと感じたところであります。
畜産茨城第451 号で,「今畜産が大変なんです」の記事を載せました。
ご承知のとおり酪農生産者は,アベノミクスによる円安の影響によっての飼料の値上げは,酪農経営にとって大きな打撃を受け,TPP交渉を見据えての投資もできない中での酪農生産者の廃業・後継者不足は,昨年のバター不足にも見られる生乳生産量の減少にあって,これが生産者乳価の値上げとなり,4月からの小売り価格の値上げとなっております。
Jミルク会長の「今年の酪農乳業界は生乳生産を上向きにさせる正念場の年」「今,酪農乳業界はより一体感が必要な状況にきている」。この言葉も下支えしての値上げに至ったことは,「日本のデイリー(酪農乳業界)」の「一体感」であり,より牛乳の「価値」をアピールすべく今後も牛乳・乳製品の消費拡大は更に必要なことと改めて感じております。
牛乳普及協会の活動は,・幼稚園,小学校への「出前授業」として本年度50校での実施を計画し,食育基本法に基づく「食育の日」の毎月19日の水戸駅でのチラシ配り(現在:ロコモテイブシンドロームを中心)・設立当初から実施をしている牛乳消費拡大ポスターコンクール(応募総数:4,119点:小学校133校,中学校57校)・牛乳乳製品利用料理コンクール(応募総数:298点:高校16校,一般4名)
特に今年度の牛乳乳製品利用料理コンクール関東大会へ茨城県代表として出品された「つくば国際高校3年齊藤里佳さん」作品(たっぷり野菜と牛乳豆腐のピリ辛みそ炒め)は,見事最優秀賞に輝きその作品が2月19 日,20 日と県庁生協食堂でメニュー化されご賞味をいただいたことと思います。
県知事への表敬報告とこの成績は,平成3年全国大会最優秀賞(農林水産大臣賞)に輝きました石塚ナツ子さん(牛久市在住:現在料理研究家)以来の快挙でありました。
又,大きなイベントとしての従来からの「ミルクメッセ」は,ひたち海浜公園から場所を水戸市旧県庁跡地の三の丸庁舎に移し,「ちくさんフードコレクション」として9月27日,28日と開催し,22,000人の来場者があり成功裡に終了することができました。
このことは,近年における畜産を取り巻く環境が厳しさを増す中,畜産界が一体となって消費者における各々の価値の理解は勿論のこと,畜産・酪農の存在の意義の理解も根本的には必要であり,畜産関係団体を主催として開催がされました。
今年度もこの場所で昨年同様の開催を考えて行きたいと思っております。
「ちくさんフードコレクション」のアンケート集計結果に基づく何が良かったか,楽しかったかのランクは,・常陸牛試食コーナー・子供コーナー・牛乳乳製品販売コーナー・骨密度測定コーナー・ちくさんを知ろうコーナーであり,意外や模擬牛による搾乳体験コーナーは本物の乳牛でなかった事や場所柄なのか,この次にランクされました。
この模擬牛については,口蹄疫等家畜伝染病の近隣諸国での発生流行に鑑み,不特定多数の消費者を対象とした実際の乳牛を用いた酪農体験交流活動を控えていることから,県酪連職員による手作りの模擬牛を制作したものであります。
一方で7月25日,8月5日と搾乳体験・牛乳パック工作・牛乳料理等,夏休み親子ミルクスクール(応募総数:152件:各々50家族参加)も県畜産センターにおいて開催をしております。
勿論,6月1日の牛乳の日(県知事への表敬訪問)・牛乳月間キャンペーン(水戸京成ホテルでのランチ提供,そしてミルスタにおいてのメロンシェイク等の販売)・7回目を迎えたちびっ子野球大会への協賛等,今年も盛りだくさんの事業を行ってまいりました。
来年度は是非,あの夏の暑さにピッタリで,高校生年代に欠かせない牛乳を,夏の高校野球茨城県大会で頂点に立った優勝チームに対し,県産牛乳を贈呈するパフォーマンスによってでもこの世代における牛乳の大切さをアピールしたいと考えております。
ここで水戸駅のミルクスタンド「ミルスタ」について述べさせていただきます。
「ミルスタ」は,ふるさと雇用創出基金を活用した茨城県の助成により平成22 年3月8日に水戸駅南北通路にオープンしました。
以来,県産牛乳の広告塔として県産牛乳・乳製品を販売。シェイク等を売れ筋とし平日昼間は主婦等,大人を中心に,夕方は高校生など幅広い年齢層に利用されており,平成24年度からは牛乳普及協会の単独運営にあって東京の茨城県アンテナショップも活用しつつ,茨城県の農産物とコラボした新しい牛乳の飲み方などの提案も行っております。
「ミルスタ」は,水戸の観梅シーズンとなるこの時期,3月8日に5周年を迎えることとなりました。3月6日から8日まで,おかげさまで5周年感謝デーを開催いたしますので,皆様方も是非ご来店いただきますようお願いいたします。
牛乳を取り巻く環境が少子高齢化や競合する飲用商品の多様化,飽食化による食生活の変化の中にあって,どう牛乳の消費拡大を展開するのか,牛乳の小売り価格の値上げがどう牛乳飲用に影響するのか。厳しさを増す酪農生産者の状況を含めて,牛乳の消費の減退がないよう生処販一体となっての事業展開が必要であり,牛乳が持つ豊かな3次機能や効果を保有し,栄養コスト面で優れた食品であること等,マスメデア等の媒体により訴求していくことは勿論のこと,茨城県牛乳普及協会はまだある原発事故の風評被害も理解と払拭を目指してまいります。
|