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近隣市町の稲作地域と連携した稲WCSの利用について
鹿行農林事務所振興・環境室


 水田フル活用や飼料自給率の向上を目的に,飼料用稲の利用が広まっており,酪農では稲WCSの利用が進められてきました。鹿行地域では稲WCSの作付面積が少ないことから,ひので酪農業協同組合では,近隣市町の稲作地域と連携した利用拡大に取り組んでいますので,その内容を紹介します。

 稲WCSの生産・流通など
 ひので酪農業協同組合では,平成13年から大洗町の稲WCSの利用を開始しました。その後,他の市町との連携が広がり,平成25年には稲敷市,水戸市,笠間市など6地域から140ha分(約3,130t)の供給を受け,利用しています。
 これらの稲作地域では,べこあおば,クサホナミ等の品種を中心に作付しており,専用収穫機は細断型及びフレール型が利用され,ロール重量が,機械のサイズにより180s,270s,300sの3種類に分けられています。
 産地との利用契約は,例えば,ひので酪農協と稲敷市のコントラクターの間では,収穫から運搬まで含めた契約をしています。また,大洗町の稲WCSは,酪農家自身が運搬しています。
 さらに,これらのロール調製の際には,良質な発酵による品質向上を図るため乳酸菌が添加されています。




 乳牛への給与など  
 現在,ひので酪農協では組合員全体の約4割にあたる52戸が稲WCSを利用しており,組合員には国のマニュアルや研修会等での資料を配付し,徐々に利用が広まってきています。
 生産者ごとに差がありますが,育成牛を中心に1日1頭当たり2〜6sを給与しています。搾乳牛へは,乳質への影響を考慮し,育成牛より抑え気味に給与されています。
 組合では,稲WCSの利用を増やし,近年価格が上昇している輸入乾牧草の一部に代えることで,飼料費の低減につなげたいとしています。


 今後の方向
 コントラクター等により稲WCSの品質に差が見られることから,組合としては,今後とも各コントラクターと意見交換しながら品質向上や均一化に取り組んでいきます。
 また,乳酸発酵飼料である稲WCSを給与することで,牛自体の免疫力向上など健康増進が期待されることから,これらのメリットや効果を生産者に周知し,一層の利用拡大を図っていきます。
 農林事務所としては,稲WCSの需要と供給の情報を把握し,マッチングにつなげるとともに,要望に応じた団体事業の紹介などにより,稲WCSの利用拡大を支援していきたいと考えています。