はじめに
鉾田市は,県内でも屈指の農業振興地域であり,畜産も盛んな地域です。家畜排せつ物が大量に排出されるため堆肥として処理・利用を進
めることが求められています。
今回は,乳用牛の排せつ物の堆肥化処理に取り組んでいる拒蝸m土つくりセンター(鉾田市梶山)を紹介します。
施設の目的
大洋地区では,以前は牛ふんは各酪農家で処理され,自己農地の利用の他近隣の耕種農家に流通していましたが,施用適期以外では持て余
され,悪臭などの苦情や不適切な処理等様々な問題がありました。さらに,平成11年に「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関す
る法律(家畜排せつ物法)」が施行され,適切な管理・利用が求められるようになりました。そのような課題の解決のために,当該地域の酪農
家と耕種農家が共同利用できる土つくりセンターが設立されました。
施設の概要
本施設は,平成13年度に堆肥供給センターとして整備され,原料である家畜排せつ物の回収・堆肥の製造,販売及び散布を実施しています。施設の設備は,12槽の発酵槽を設けた1200uの堆肥舎と水分調整用の古畳を破砕するリサイクル棟からなっています。現在,年間約2000トンの堆肥を生産しています。
堆肥ができるまで
原料は地域の酪農家からの家畜排せつ物を搬入し,古畳を場内で破砕したものと混合して一次発酵,二次発酵を経て,およそ8日で製品となります。このような共同利用施設ができたことにより課題が解消され,出来上がった堆肥は酪農家の飼料畑で利用されるとともに近隣の耕種農家や家庭菜園等で利用されています。
今後の方向
大洋土つくりセンターは,原料収集から堆肥製造,飼料作物等の農作物の生産という循環利用の体制が出来上がっています。このような体制をこれからも続けていくことができるように,農林事務所として支援を行って参ります。
|