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     平成22年度 >  3月号 : 肉用牛経営における水田放牧や草地基盤整備の取り組みについて


肉用牛経営における水田放牧や草地基盤整備の取り組みについて


  県西地域は、平坦で広大な土地を利用して水田 や畑が広がっており、そのような地域的特徴を生 かした肉用牛繁殖経営における放牧等の取り組み を紹介します。



  現在の状況

  (有)ファームオアシスでは、水稲、麦、大豆 などの普通作と繁殖用肉用牛20頭による複合経 営を行っています。
 飼料作物では、イタリアンライグラス、スーダ ングラス、二条麦などを栽培しているほか、稲W CS生産も行っており、繁殖雌牛へ給与していま す(表1)。


表1 栽培面積



  複合経営を行うことにより、水稲や麦栽培など からの稲わら等の副産物を肉用牛の飼料に、もみ がらを牛舎の敷料として有効活用でき、排せつ物 をたい肥化し耕作地へ還元することで土づくりに 役立つなど、資源循環型農業を進めています。




  水田放牧の取り組み

  以前から自宅周辺の放牧地で放牧していました が、平成20年度から水田放牧に取り組み始めま した(表2)。稲収穫後に牧草を播種し、概ね12 月から翌年3月まで近隣水田に電気牧柵を設置 し、放牧しています。

  放牧を実施することで、飼養管理など牛舎労力 の低減や飼料費の節約が図られたほか、牛が歩い たり日光を浴びたりすることで健康的になったと 実感しています。また、繁殖成績の向上などにつ ながり、子牛が順調に生産されています。今後と も放牧中の栄養管理に気をつけながら、脱柵など が起こらないよう放牧に取り組む予定です。


表2 冬期放牧の推移





  草地畜産基盤整備事業の活用

  現在、草地畜産基盤整備事業(畜産担い手育成 総合整備事業)を活用し、牛舎及び堆肥舎を整備 しています。これにより繁殖牛や子牛の飼養管理 の効率化・省力化やたい肥の品質向上が期待され ます。



  これから−

  間もなく同事業により新牛舎ができあがるの で、繁殖牛を増頭していく計画です。今後ともア ニマルウェルフェアへの配慮、牛のいる農村風景 の保全にも役立つことから、放牧面積や頭数のバ ランスをとりながら、放牧に取り組んでいく予定 です。