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     平成22年度 > 1月号 : 韓国における口蹄疫の発生と国内での高病原性鳥インフルエンザの
                                        確認事例の発生について


韓国における口蹄疫の発生と国内での
高病原性鳥インフルエンザの確認事例の発生について
茨城県農林水産部畜産課


  【韓国における口蹄疫の発生について】
  平成22年11月26日(金)、韓国の慶尚北道安東 (アンドン)市の養豚農場において、口蹄疫が発 生しました。同国では、平成22年1月にも口蹄 疫が発生しており、6月にはいったん終息してい ました。
  平成23年1月4日現在、養豚農場20件141,060 頭、牛飼養農家65件3,960頭で発生が確認されて おり、2,769農家の家畜77万9千頭が殺処分対象 となっています。(資料1)



資料1 韓国における口蹄疫の発生状況
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  また本病は平成22年4月20日に宮崎県で発生 し、約29万頭の家畜が殺処分されるなど、甚大 な被害をもたらしたことは記憶に新しいところで す。(資料2)



資料2 宮崎県における口蹄疫の発生状況
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  これらの発生事例からもわかるように、口蹄疫 はきわめて伝染性が強く、いったん侵入を許すと 広範囲に感染が拡大する恐ろしい伝染病です。
  牛、豚、山羊・羊などの偶蹄類家畜飼養者や畜 産関係者の方々におかれましては、口蹄疫の侵入 を防ぐために、下記について確認のうえ、飼養衛 生管理の再徹底をお願いします。


自分の農場への出入りの際も、靴や持ち込む物 の消毒を徹底しましょう。
外部からの人や車をなるべく農場に入れないよ うにしましょう。
畜産関係車両をはじめ、農場に立ち寄る車(タ イヤや運転席)や持ち込む物は必ず消毒しま しょう。
発生国に滞在していたためウイルスを伝播させ る可能性がある人や発生国から輸入された物を 農場に近づけないようにしましょう。
  また、畜産関係に従事している方は、口蹄疫が 発生している国への渡航は出来る限り控えま しょう。
口蹄疫を広げないためには、早期発見がとても 大切です。
  家畜に異常を発見したら、すぐに獣医師や家畜 保健衛生所に連絡しましょう。





  【国内での高病原性鳥インフルエンザの 確認事例について】
  平成22年11月29日(日)、島根県県安来(やす ぎ)市の採卵鶏飼養農場において、高病原性鳥イ ンフルエンザが確認されました。
  島根県及び隣接する鳥取県では、当該農場を中 心とした半径10km圏内を移動制限区域として設 定し、家きん・卵等の移動を制限するなどの防疫 措置を実施しました。12月5日までに、鶏の殺 処分や農場消毒などの防疫措置を完了し、12月 27日に移動制限が解除されました。
  発生農場で分離されたウイルスは、平成22年 10月に北海道で野生のカモの糞から分離された ウイルスと極めて近縁の強毒タイプであることが 判明し、カモなどの水禽類(水上や水辺で生活す る鳥)が伝搬していることが示唆されています。
  その後、鳥取県米子市のコハクチョウ、富山県 高岡市のコブハクチョウ、鹿児島県のマナヅルや ナベヅルからも高病原性鳥インフルエンザウイル ス(H5N1亜型)が分離される事例が続いていま す。(資料3)



資料3 日本における高病原性鳥インフルエンザの確認状況
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  また韓国でも、平成22年11月から野鳥やア ヒル農場において、高病原性鳥インフルエンザ (H5N1、H7N7等)が確認されていることから、 本県内の養鶏農場への侵入リスクが高まっていま す。(資料4)



資料4 韓国における高病原性鳥インフルエンザ の発生状況(2010年)
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  家きん等の飼養者や畜産関係者の方々におかれ ましては、高病原性鳥インフルエンザの侵入を防 ぐために、下記について確認のうえ、飼養衛生管 理の再徹底をお願いします。


畜産関係に従事する方は、高病原性鳥インフル エンザが発生している国への渡航を可能な限り 自粛してください。
防鳥ネットの整備・点検、飼料の管理を徹底し、 農場内への野鳥や野生動物の侵入防止に努めて ください。
家畜を管理する方以外について、農場敷地内へ の出入りを制限し、家畜が外部の者と接触する ことを極力避けてください。
農場敷地内や、入退場する人・車両について、 適切な消毒を実施してください。また、出入り の記録について徹底して下さい。