和家貴之氏は努めていた会社を退職し、当時家族経営であった養豚経営に飛び込んだ。
  その後8年間、豚の飼養管理を始めとした経営者としての知識・技術を習得し、平成22年1月に経営を法人化し、株式会社「和家養豚場」の代表となった。


  茨城町は茨城県のほぼ中央に位置し、水戸市の南に隣接する東西に17q、南北に14q、の面積121.64kuの町で町の中央部を涸沼前川、涸沼川、寛政川の3本の川が涸沼に注いでおり、温暖な気候と豊かな水、肥沃な土地に恵まれメロン,二ラ、イチゴ、長いも、ミツバ、ニンジン、キュウリ、トマト、トウモロコシ、梨、栗等様々な農作物が生産されております。
  2006年の農業産出額は1,455千円で県内第7位で、その内畜産が45.3%を占め畜産の産出額は県内第3位と畜産の盛んな地域となっています。


@労働力の構成

家族及び労働力の構成(平成22年6月現在)








〇生産対策
@飼養管理において密飼いをなくし、特に畜舎内の湿度を一定に保つよう毎日の水振りは欠かさないで実施する他、断尾、切歯は行わない等、家畜にとって出来るだけストレスのかからない飼養管理を実践している。



A農場内において飼料への抗生物質の添加は行わない等消費者の求める安心・安全面を考慮した豚肉生産に努めている。

B県内でもいち早く飼料米給与に取り組み、液肥を活用し自家産の飼料米を給与した「和之家豚八十八」と言うブランド豚肉の生産に取り組んでいる。



〇糞尿処理対策
養豚の糞尿処理で難しいとされる尿処理は液肥として利活用をはかる一方、糞は良質なたい肥として近隣畑作農家と連携し供給している。



〇販売対策
@ブランド豚肉「和之家豚」「和之家豚八十八」は自身で立ち上げた直売所を拠点として、 購入者との対面により生産に対する想いを伝えることをモットーに販売している。


Aまた、少しでも美味しく味わってもらうための調理方法の紹介や調味料(ポン酢・塩等)をつけた販売等も試みている。

B業種を問わず幅広い関係者との関わりを持ち、より多くの情報収集のもと販路の確保に努めている。また酒造会社との連携により海外向け(加工品)も検討している。<
 直接販売を行うことにより他業種の人たちと接する機会が増え、幅広くPRに努めることによって飲食店等の利用者が増加した。銘柄豚といっても最初は思うように売れず、販促品のチラシやパンフレットを自前で作成し自ら販路開拓の営業に努め徐々に注文が入るようになっていった。定期的に注文が入るようになれば付き合いのある問屋を紹介しその問屋を通じて「和家之豚」を指定して購入してもらうシステムを作り上げて行った。
その間約2年を要したが、それによって問屋さんと銘柄豚として価格交渉が出来るようになった。現在は中物の落ち幅を押さえるような取引を行っているが、今後は養豚経営をより安定させるためにも飼料高騰等の影響を受けないよう四半期に一度、飼料価格を勘案 し販売価格を決める等の取引形態を実現し、更なる販路拡大や美味しい豚肉の生産に取り組んでいる。



研修や視察、TV撮影の受け入れる一方、地元の産業祭や各種イベントに積極的に参加し、地域農業との共存共栄に努めている。更に大学での講師や地域の学生達の農場見学受け入れをする等畜産への理解を深める活動にも積極的に参画している。

アニマルウェルファーへの対応=豚に対して出来るだけストレスを与えない飼育によって出荷まで持っていけるか、そのための適正な豚房面積の確保、切歯、断尾の廃止や欧州の様に去勢の廃止も検討している。
自給率向上・遊休地の利活用・耕畜連携の3課題について、未利用資源の活用と飼料米利用促進を進めることでクリヤーしていく考え。
自家産豚肉により生ハム等の加工品の委託生産を検討する。
豚肉の海外輸出を検討する。