「地域と結びついた酪農グループ」

肥前塚堆肥生産組合
代表 高田 三男さん




向かって左側 高田三男さん・右側 伊藤孝洋さん









(1) 構成員及び経営規模

構成員

酪農家

3名

経営規模

乳用牛 成雌牛 159頭 育成牛 46頭 合計205頭

飼料用地

4.5ha



(2) 施設及び機械

発酵処理機械(昇降式ロータリー撹拌機)

1式

保護施設(鉄骨造り)

面積 880u

1棟

堆肥舎(鉄骨造り)

面積 340u

1棟

堆肥袋詰機

1式

 (選別機、ホッパー、コンベア−、袋詰機、シール機)

堆きゅう肥袋詰機(バケット仕様)

1台

堆肥運搬車(2t)

1台



堆肥発酵処理施設(昇降式ロータリー撹拌機)




(3) 搬入方法

構成員がダンプ(糞尿こみ)で処理施設に搬入する。(毎日)
水分調整は、オガ粉及びもどし堆肥利用



(4) 流通方法

@バラ販売−−

組合員がバラで運搬する。(3,000円/u)

市内運搬料サービス

販売先 野菜、花キ、水稲農家等

A袋販売−−−

市内の小中学校の花壇用に販売。(400円/20g)

一般の家庭菜園用



2 地域の概況

 当地域(笠間市)は、県都水戸市に近く陶芸の町として有名である。また、JR水戸線、国道50号線を主幹線とし、交通条件に恵まれている。
 1995年農業センサスによると、総農家数2,171戸、その内専業農家188戸(うち第一種兼業132戸、第2種兼業1,851戸)専業農家数の割合8.7%、作付延べ面積1,700haにあり、稲作(水田)の占める割合は、65.9%と高くなっている。
 農業粗生産額(平成11年)は、32億2千万円、耕種部門が22億9千万円、全体の71%を占め、畜産の粗生産額は、8億1千万円の25%(鶏53.1%、乳用牛34.7%、肉用牛12.2%)を占めている。



3 活動の状況
 当地域において、酪農家が中心となって堆肥処理施設を補助事業で導入し運営することは、地域の畜産農家のモデルとなる事例にある。

 畜産振興上、避けてとおれない糞尿処理施設を堆肥生産組合、酪農家3戸が組織し運営をおこない堆肥生産から販売まで取り組むなど前向きに酪農経営が展開されている点にある。
 生産された良質堆肥(肥前塚1号)について、地域の耕種農家(野菜、花キ、水稲農家等)や一般の家庭菜園用(20g袋)として販売され、現在では、生産が追いつかない状況で好評にある。





@堆肥生産組合への取り組み

 環境整備として、酪農家3戸(高田・伊藤・浦井)で堆肥生産組合を組織し堆肥の有効利用に取り組んだ。



A堆肥販売への取り組み

 完熟堆肥を生産し、近隣の耕種農家はもとより地域外からも広く購入され生産が追いつかない状況にあることから、良質な製品を生産することに努力されている。
 結果として、堆肥生産(処理)施設を導入することにより、飼料畑への野づみの解消・堆肥化することによる臭気対策が図られ環境にやさしい畜産が実践された。
 良質堆肥の生産によって良質粗飼料(成分)が生産されるようになった。
 堆肥処理がスムーズになった。
 堆肥販売をすることにより地域の人々とつながりができた。





@堆肥の水分調整の問題点

 敷料は、オガクズ、モミガラ、カンナクズ等を使用しているが、種類・使用量は各農家まちまちであるため、水分調整がうまくいかず時折発酵処理機にトラブルが発生している。



A改善方法

 改善として、水分調整がうまくいかないと、機械に負担がかかり修繕費等の経費がかさむとコスト高となるので、同一敷料を使用すること。
 肥育農家の堆肥等を混入することで適正な水分調整をするよう現在試験的に実施している。