堆肥の流通を活発にすめためには、使う側は何を望んでいるのかをつかむ必要があります。ここでは、2つの機関が実施した調査結果から考えてみます。

まず、農林水産省の農業研究センタープロジェクト研究第6チームが県内岩井市の野菜農家を対象として実施したアンケート調査の結果です。
堆肥利用上の問題点−散布が大変−
野菜農家は、堆肥利用に積極的ですが、同時にいくつかの問題点をあげています。利用農家の指摘が一番多かったのは、堆肥の価格が高いこととなっています。ついで、堆肥散布作業が負担となっています。散布作業の負担は、未利用農家では、50%近い数値となっており、価格よりも上位になっています。利用、未利用農家に拘わらず、この部分を畜産農家がどう手助けするかによって、堆肥の利用は大きく伸びる可能性があると言えるようです。

日本緑化センターが緑化樹木生産者と山林種苗生産者に対して堆肥利用上の問題点を調査しています。堆肥の価格の問題は、野菜農家で指摘されたほどに多くありませんが同様の傾向が出ています。

堆肥の品質について−ちょっと問題−
2つの調査で、堆肥の品質についての指摘も多くあげられました。日本緑化センターによる調査では、臭気・腐熟不完全、害虫発生など項目別に10〜15%の方から指摘を受けていました。農業研究センターの野菜農家の調査事例でも、2割近い方が堆肥の品質を問題にしています。
耕種農家が望む堆肥は千差万別−敵を知り己を知る−
堆肥の流通を活発にするためには、まずターゲットを絞ることが重要です。一言に耕種農家といっても、露地農家、ハウス農家、野菜農家、園芸農家、それぞれ求めるものが違います。堆肥の使い方、使う量によっても違うはずです。また、自分の持っている施設、機械で何が出来るのかを知ることも重要です。
堆肥舎だけしかないのに、水分の低い扱いやすい堆肥を作ることは難しいでしょう。それなら、堆肥を大量に使う露地農家に持っている機械で散布してやる、あるいは価格を低く設定する方が、堆肥を使ってくれるはずです。
流通堆肥の最低限の条件
農家の求める堆肥は、千差万別とは言っても、流通させる堆肥には、最低限クリアーしておかなければならないいくつかの条件があります。
安全性 雑草の種子や有害な重金属、病原菌、寄生虫などを含まないこと
斉一性 腐熟度がバラバラでは商品として失格です。
成分の表示 成分分析をして、何を含んでいるのか明らかにしなくてはいけません。使う側にしてみれば、何を含んでいるのか分からなくては使いようがありません。
肥料取引法でも義務づけられています。
由来 堆肥の原料や、堆積期間、堆肥化方法などを明らかにしておくことは、使う側にとっては重要なことです。
臭いがあったり、害虫が発生するようでは、商品とは言えません。商品としての意識を持つことが大切です。
非常に項目が多くあり、大変と思うかもしれませんが、これらは、堆肥化を完全に行えば、自ずと解決して出来ることです。流通させる堆肥は、商品です。