平成22年の宮崎県における口蹄疫や平成23年の日本各地での高病原性鳥インフルエンザの
被害は記憶に新しいところです。これらの家畜伝
染病は我が国の周辺国において流行が続いてお
り、国内への侵入が危惧されています。
茨城県としても、周辺国での発生情報の提供
や、万が一の発生に備えるための防疫措置を講じ
ているところです。
しかし、最も重要な発生初期段階での防疫作
業には多くの人員を必要とし、作業の中心となる
家畜保健衛生所の人員だけでは補いきれないた
め、各方面の協力が不可欠となります。
県としては関係者の協力体制を確認するため
に、県各部局、市町村、獣医師、畜産関係者等を
集め、防疫演習を毎年開催しており、本年度は平
成23年10月18日に畜産センターで開催しました。
一方、発生初期段階では農場及び周辺での消
毒作業等の即時対応が必要です。
当所が入居している土浦合同庁舎には県南農
林事務所、県南県民センターも入居しています。
そこで、初動防疫第一段階について当庁舎入居
機関の協力を得ることにより、円滑に防疫措置へ
移行することを目的として、土浦合同庁舎家畜防
疫研修会を前年度から開催しています。本年度は
平成23年12月15日に高病原性鳥インフルエンザ
の防疫対応を中心に開催いたしました。
本研修会の開催に先立ち、県南農林事務所、
県南県民センターの関係者と当所で連絡会議を
開催し、防疫措置の説明や入居機関毎の動員体
制について協議しました。その結果、各機関に初
動防疫の重要性を理解してもらうとともに、予め
初動時に動員される職員を選定し、名簿の提出
をお願いしました。
研修会は当庁舎の会議室と駐車場を会場とし
て、各機関から26名の職員が当所職員の説明に
耳を傾け、実習にも熱心に参加しました。
スライドによる説明
研修内容は参加者が2つの班に分かれ、各班
が交代で、会議室でのスライドを使った防疫体制
や現地対策班の役割分担についての説明と駐車
場において、防疫措置の際に着用する防護服、帽
子、手袋、マスク、長靴等の着脱、消毒ポイントや
発生農場等での消毒作業を想定し動力噴霧器に
よる自動車の消毒作業を実際に行いました。
参加職員は、普段使用することのない動力噴霧
器の操作で、エンジンの始動方法や消毒液の噴
霧の調整方法に手こずったり、なれない防護服の
着脱に苦労していましたが、全員が真剣に取り組
み、技術を習得していました。
口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の社会
的にも大きな影響のある家畜伝染病発生時に
は、迅速な対応が要求されており、通常家畜衛生
業務に携わっていない県職員等も発生初期段階
での防疫対応にあたることとなります。今回の研
修は家畜伝染病発生時の初動防疫対応の一環と
して役立つことと思いますが、万が一家畜伝染病
の発生があった場合には関係各位の協力が重要
となりますので、よろしくお願いいたします。
防護服着脱演習
動力噴霧器による消毒作業
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