平成20年12月1日(月)〜4日(木)、茨城県中央食肉公社において「第52回茨城県肉用牛共進会(茨城県肉用牛振興協会主催)」が開催されました。本共励会は農林水産祭参加行事として毎年開催されており、今回は黒毛和種120頭が出品されました。出品条件は常陸牛指定生産者が1人1頭以内、出品頭数も120頭という、まさに年に1度の県内最大の枝肉共進会であります。
出品牛の内訳は去勢105頭・雌15頭で、平均出荷月齢は29.8ヶ月齢でありました。「常陸牛」に該当する4・5等級の上物率は76%と昨年同様の結果となっております。枝肉測定値平均(去勢牛105頭)は、枝肉重量526.1s、ロース芯面積55.1?、バラの厚さ9.4p、皮下脂肪2.8p、BMSbヘ6.7という成績でした。この成績は、全国レベルで見ても肉量・肉質ともに上位に位置づけられる優秀な成績であると思われます。
 現在の肉牛情勢は、飼料価格の高騰と枝肉価格の低迷という、かつてない厳しい経営を強いられ、また、素牛価格が最高値の時期に導入しているために、今回のような共進会出品牛であっても収支が赤字となるケースが多いのも現実です。今後もこのような状況が続くと、高い肥育技術をもつ本県の常陸牛指定生産者であっても、「常陸牛」の飼育頭数が減少することも予想されます。私たち団体や行政機関は、「常陸牛」を生産する農家の支援に積極的に尽力すべきであると考えます。  平成21年に入って配合飼料も大幅値下げとなり一部明るさも見えますが、厳しい経営環境は今後も続くものと思われます。「常陸牛」が将来に向け名実ともにトップブランドとなるためには、今ここで、いかにして生産者を支援していくかが重要課題であると思われます。今後も関係者が一致団結し、常陸牛指定生産者が将来に希望を持てるための努力をしていきましょう。