去る9月8日、常陸牛指定生産者を中心としての講演会ならびに常陸牛の試食会を開催した。研修会は、常陸牛振興協会、(社)茨城県畜産協会、県北肉用牛振興協議会の3者共催で実施しました。開会に先立ちまして茨城県畜産農業協同組合連合会常務(佐藤道広氏)が開会宣言、主催者挨拶を(社)茨城県畜産協会専務(鈴木和明氏)がおこない、さらに来賓として茨城県農林水産部畜産課長(大野芳美氏)が常陸牛の現状と推進具合について、さらに橋本昌茨城県知事が常陸牛振興協会の名誉会長に就任したことなど報告し挨拶を行いました。
講演会は、鹿児島大学農学部臨床教授で(有)シェパード中央家畜診療所代表の松本大策先生の講演が行われました。講演内容は「第1胃の発酵異常」や「筋肉水腫」など疾病の早期発見の話から脂肪交雑とビタミンAコントロールの話など幅広い話を解り易く展開しました。ときには、「ここは笑うとこですよ」など生産者を飽きさせない工夫をするなど1時間30分の話は短い時間でした。
また、質疑応答ではかってないほどの質問が出され、生産者の講演会に対する期待度が伝わってきました。閉会後生産者から「いい先生を探してきてくれた」とお礼を言われたのも初めてのことでした。
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講演会後、「常陸牛の脂肪酸組成の違いによる旨み」の検証として、オレイン酸の差のあるA‐4等級のウチももを材料として使用して、脂の旨みの差を感じられるかの試食を行いました。この官能評価は、正確なものではありませんが、脂肪が口の中で溶けやすいのは不飽和脂肪酸、オレイン酸が多いものが有利との判定でした。脂肪交雑はBMS NOが1ランク位の差は有利さが出ないようでした。この官能評価は、まだ始まったばかりですが、今後さらに年に複数回実施して精度を高める必要があります。
そして、「茨城の自然が育てた常陸牛」の合言葉とうり、生産管理に役立つように1日も早く到達したいものです。産地間競争は待ってはくれませんから。
なお、今回の生産者研修会には、常陸牛指定生産者、JA関係者、関係団体、関係機関、販売指定店、雑誌社など幅広く多くの参加を得、総数142名の参加となり、盛会裏に終了しました。
県および関係団体の皆様には大変お世話になり、厚く御礼申し上げます。
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