 <インタビューに答える佐藤信彦氏(左)と佐藤範之氏>
−全日本という大きな大会でのRGC受賞、大変おめでとうございました。
(両氏):どうも有難うございます。
−まずは、大会の雰囲気についてお聞かせ下さい。
信彦氏:5年に1度開催の大会であり、日本中から優秀な乳牛が集まってきました。本県の出品者の中では私が最年長で若い人が多く、活気がありました。
範之氏:私は全日本クラスの大会は初参加だったのですが、本県出品者はまとまりがあって楽しかったです。
−今回、お二人が本県で初めて経産及び未経産それぞれの部全体の第2位となるRGCを同時に受賞されましたが、その感想をお聞かせ下さい。
範之氏:上位に絡めれば良いと思っていたので思いがけない成果でした。良い牛が多く、とても良い経験ができました。うちの牛はマイペースなのでうまく牽くことができました。
信彦氏:RGC受賞牛は、この大会の前に「北海道共進会」にも出品して部のチャンピオンとなり、今回も注目されていたので、正直なところほっとしました。
また、審査員から「グランドチャンピオン牛とは乳器に差」との講評があり、それが残念でした。
−本県からの出品牛9頭のうち、常陸太田市里美地区から4頭が出品され、しかも各部チャンピオンが3頭、優等賞が1頭と非常に優秀な成績が得られましたが、何か秘訣があるのですか?
信彦氏:里美地区では「里美酪農青年部」を活動主体として、20年以上前から村や県酪連の導入事業により北海道から優れた血統の牛を導入し、継続的に乳牛改良に努めています。今回のRGC受賞牛も共にこれらの導入事業で導入した牛の4代目及び5代目の牛であり、これまでの改良の努力が成果に表れてきたと思います。
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−範之さんは次世代を担う若き酪農後継者ですが、現在、酪農青年部ではどのような活動をされていますか?
範之氏:共進会には個人ではなく青年部全体として取り組んでいます。最近では受精卵の活用や飼料稲の生産にも取り組んでいます。また、市の産業祭等のイベントにも積極的に参加し、PRに努めています。
−信彦さんは現在県乳牛改良委員としてご活躍されています。今回の成績から本県の乳牛改良レベルの高さを全国に示すことができたと思いますが、今後更に努力すべき点はどのようなことですか?
信彦氏:過去にない良い成績を取って注目を浴びましたが、実力的に本当にあるのかは疑問もあります。一過性で終わらないように、引き続きレベルの維持に努めることが必要です。また、最近の共進会では出品が特定の人になりつつあるので、もっと若い人の参加を呼びかけていきたいと思います。
−最後に、これからの酪農経営における目標・抱負などについてお聞かせ下さい。
信彦氏:飼料価格の高騰などにより年々収益性が低下し、非常に厳しい時代です。乳牛には1産でも長く健康で働いてもらい、育成費などのコスト削減も努めなければなりません。経営あっての共進会ですが、だからこそ開催する意義が大きくなります。共進会の成果が経営に帰ってくるのです。
範之氏:今後の目標としては、安定してより高い経営レベルを目指してやっていきたいと思います。
−有難うございました。これからもお二人の更なるご活躍をご期待申し上げます。
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