本県の平成18年養鶏産出額は272億円で全国第7位,畜産産出額の28.5%を占めるなど本県畜産のなかで基幹部門となっており,鶏肉,鶏卵は安価で良質なたん白源として,県内はもとより首都圏へ安定的に供給されています。
  近年の養鶏経営は,大規模化・企業化が著しく進展していますが,中小規模の生産者は,特殊鶏,飼養管理方法,環境に配慮した生産方法などを通じて,差別化やブランド化による経営の活性化を望んでいます。一方,消費者は,鶏卵・鶏肉に対する安全・安心,健康性などに関心を持っています。県内での鳥インフルエンザの発生により,本県産の鶏卵・鶏肉の安全・安心の確保及び他産地との差別化を図るための高付加価値化の必要性はさらに高まってきています。また,自給率の向上や配合飼料価格の高騰が課題となっており,食品残さ等の飼料化技術の開発が期待されています。
  畜産センター養鶏研究室は,昭和40年に茨城町に試験場を設置して以来,生産性の向上,低コスト化を図るため種鶏の改良,飼養管理技術の向上等に関する試験研究を進め,これまでにも,奥久慈しゃもの開発・普及等の成果を収めてまいりました。
  今後は,生産者と消費者のニーズに応えた@独自鶏の開発及び銘柄鶏の作出技術の開発,A有機的な鶏使用管理の開発,B本県の特色を生かしたエコフィード飼料等の開発,C安全・安心な飼養衛生管理技術の開発普及などの試験研究を行うとともに,さらに試験研究の効率化と連携強化を進め,試験研究体制を一層充実させるため,現在,国の事業を活用し,石岡市にある県畜産センター内に新しい養鶏研究室の建設を進めており,平成20年3月に完成する予定です。