昨年12月1日、友部町の中央公民館において茨城県農林水産部農産課と当協会の共催により標記のシンポジウムを開催しました。この会議は「耕畜連携による土づくり」を推進するため、耕種農家と畜産農家が一堂に会し、家畜ふん堆肥を利用した土づくりについて共通理解を深めようと開いているものです。
当日は農家の方々や関係者が大勢参加し、大ホールはほぼ満席となりました。主催者として当協会矢口専務及び県農林水産部飯田理事の挨拶の後、農業総合センター小舩専技を座長として事例発表が行われました。常陸大宮地域農業改良普及センターの飯田専門員、養豚農家の飯田吉治氏、肉用牛農家の田所洋一氏より、良質堆肥の施用によって米、野菜、花きなどの生育や収量、品質が大幅に向上したという事例が報告されました。
続いて農産課山形係長から、昨年3月農林水産省が策定した「農業環境規範」について説明がありました。
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これは、環境と調和した農業生産活動について過去1年間の実行状況を農業者自身が点検するもので、家畜の飼養・生産者の場合は@家畜排せつ物法の遵守、A悪臭・害虫の発生を防止・低減する取り組み、B家畜排せつ物の利活用の推進、C環境関連法令への適切な対応、Dエネルギーの節減、E新たな知見・情報の収集、など6項目がチェック対象となります。
最後に栃木県芳賀町の農事組合法人ドンカメ代表理事小久保行雄氏の「環の町芳賀をめざして」という講演を行いました。米と梨の生産者である演者は10年前に地域資源循環を構想し、3年後に仲間とともに町内の公共施設等の生ごみを収集し、これに牛ふんと鶏ふんを加えた堆肥を農家に配布し、そこで生産された農産物を買い取って小中学校の給食に提供するという循環農産物システムを確立しました。今後も循環の環の町づくりに積極的に参加していきたいと話されました。
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