去る5月13日、茨城県畜産研究会(会長 松澤安夫茨城大学教授)の第48回総会及び発表会が茨城県畜産センターにおいて開催されました。
 本会は畜産の技術及び経営の改善普及に寄与することを目的に昭和32年に設立され、現在普通会員223名、特別会員23団体で構成されています。
 総会の冒頭、松澤会長より「農業は自己再生産型の産業であり、資源は枯渇することがなく、持続的農業の成立は当然と思いがちであるが、実際には人間生活を含めた環境問題の解決と儲かる経営を達成してはじめて持続可能になる。今回の発表会ではこれらに関係する話題を提供してもらうことにした」と挨拶がありました。
 発表会はシンポジウムと特別講演がありました。  
〔シンポジウム〕
これからの肉用牛肥育経営についてー級チ藤牧場における取り組み

常陸太田地域農業改良普及センター 加藤康明
JAグループにおける養豚用配合飼料による環境保全の取り組み

全農飼料畜産中央研究所 野口 剛
液状コンポストの普及の現状と今後の課題

畜産センター環境保全研究室 吉尾卓宏
〔特別講演〕
"成長"から"成熟"へー畜産経営のパラダイム転換を考えてみませんか

全国拓殖農業協同組合連合会
 農業技術普及センター長 塩谷哲夫
 ブラジルや国内における畜産現場の見聞をもとに「農業経営の持続性とは、農業を家業として一家が豊かに世代をつないで暮らしていくことである。経営発展の方法にはいままでのような規模拡大による"成長"と複合的で多様性のある"成熟"という概念があるが、私としては"成熟"に豊かさを求める生き方を勧めたい」と話され、経営観や生活観の転換を提唱されました。