〜 県北地方総合事務所 畜産振興課長 吉澤 武康 〜
 この度、県北地方総合事務所畜産振興課の課長を拝命いたしました。宜しく願い申し上げます。
 県北管内の畜産は、県内の畜産産出額の38.5%を占める重要な地域であります。特に、肉用牛は55.9%、鶏卵は55.0%と県内の畜産産出額の1/2以上を占めております。
 しかし、従事者の高齢化や担い手の不足などから他の地域と同様、当地域でも年々畜産農家が減少しています。このような中で、平成16年2月に策定された「茨城農業改革大綱」の中の畜産関係では、県北地域がその大部分を担っている和牛子牛の生産拡大対策のための「繁殖牛増頭対策事業」や「不受胎牛放牧実証普及事業」、高品質で均質な常陸牛ブランドを生産するため肥育技術を統一する「常陸牛生産技術確立事業」等に取り組むことにしています。
 また、常陸牛やローズポークの飼料給与等の飼育管理情報を消費者に提供するシステムを構築するとともに、常陸牛の生産から販売までの一貫したブランド戦略を推進するための事業を行うこととしています。
 県北地域としては、地域の耕作放棄地等を積極的に活用して繁殖和牛を放牧し、高齢化した飼育者の使用管理労力と飼料費の大幅な軽減や中山間地の良好な農村景観づくりを図り、更には今後とも畜産経営を継続するには、家畜排せつ物の適正な管理と良質堆肥の流通を促進し、地域社会と調和した環境保全型の畜産経営を確立することが必須であると思われます。
 県の財政状況が依然として厳しい中で、配分された予算を活用して「消費者のベストパートナーとなる県北畜産」の確立を目指し、課員一同取り組む所存でございますので、なお一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。



〜 鹿行家畜保健衛生所長 和田 正寿 〜
 この度の定期異動により、鹿行家畜保健衛生所勤務を命ぜられ過日着任いたしました。
 県に奉職依頼、主として地方総合事務所と試験研究機関に勤務し、20年振りに家畜保健衛生所に戻りましたが、家畜衛生を取り巻く環境の変化に戸惑っているところです。
 鹿行地域は周囲を鹿島灘と霞ヶ浦に囲まれた広大で平坦な土地を利用して、畑作中心の県下有数の農業地帯を形成しており、特に施設園芸が盛んでメロン、ピーマン、いちご等の銘柄産地の育成定着が進んでいます。また、土地利用型農業もかんしょ等を中心に盛んで、首都圏地域における生鮮農産物の供給基地として、今後さらに大きな発展が期待されております。
 鹿行地域の畜産は首都圏の消費地に近いということと、飼料工場が鹿島港にあるという利点を背景に発展してきており、特に養豚は県内産出額の42%を占め、大規模飼養農家が多く、1戸当りの飼養頭数は1,580頭と県平均の約2倍という状況にあります。
 畜産を取り巻く情勢は、畜産物などの流通の国際化が一層進展し、農家の経営規模がますます拡大しており、また、消費者からは安全・安心な畜産物の生産が求められ、家畜衛生対策事業の推進がますます重要となってきております。
 中でも昨年1月に国内で79年振りに発生した高病原性鳥インフルエンザにつきましては、幸いにしてこの冬は未発生でありましたが、さらに監視体制を強化し、万が一の場合に円滑なまん延防止措置を講じることができるよう体制の整備に取り組んでまいります。
 また、BSEにつきましては今年4月8日に国内で17頭目の発生があったところでありますが、引き続き県北家畜保健衛生所所管のBSE検査センターに職員を派遣し、24ヶ月以上の死亡牛の全党検査に協力してまいります。
 最後に、当所は少人数ですが、気軽に来所いただけるような雰囲気づくりに努め、関係機関の方々のご要望に応えていけるように努力する所存でございますので、なお一層のご指導、ご協力をお願いいたします。



〜 県南家畜保健衛生所長 大野 芳美 〜
 この度の定期異動により県南家畜保健衛生所長を拝命いたしました。地域の家畜衛生に尽力してまいりますのでよろしくお願いいたします。
 最近の伝染性疾病の発生につきましては、高病原性鳥インフルエンザをはじめとして国内初或いは数十年ぶりとなる伝染性疾病が相次いで発生し、畜産関係者だけでなく広く一般消費者にも多大な影響を与えました。また、国内での発生は確認されておりませんが、北米では依然ウエストナイルウイルス感染症が継続発生しており、国内への侵入が懸念されているところです。このようななか、FTAの進展や国際化に伴い畜産物等の輸入増加が予想され、また、国内においても農家の経営規模が拡大していることから、事前対応型防疫がますます重要となっております。家畜伝染性疾病の発生予防、まん延防止を推進するために、関係機関、関係者との情報の共有化を図り、伝染性疾病の監視体制を継続・強化するとともに、万が一の発生時には迅速な防疫対応が図れるよう体制整備に努めてまいります。
 BSE発生以降、消費者の食の安全に対するニーズの高まりから、畜産物についても安全性の確保が求められております。国では家畜の所有者が衛生管理を徹底することで疾病の発生を予防できるものもあることから、所有者が守るべき衛生管理の基準を昨年9月制定しました。県でもこの衛生管理基準を盛り込んだ「畜産物生産ガイドライン」を策定し、畜産農家への普及・定着を促進しております。生産現場における動物用医薬品の適正使用や食中毒の原因となる疾病の対策など、畜産物の安全性確保に関わる事業の推進に努めてまいります。
 管内では8月のつくばエクスプレスの開通に伴う沿線開発などますます都市化が進展するなか、畜産の状況も厳しくなってきておりますが、家畜衛生の業務をとおして畜産物の安全確保に尽力してまいりますので、今後とも一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。


〜 県西家畜保健衛生所長 鈴木 和明 〜
 今年4月の定期異動によりまして、県西家畜保健衛生所長を務めることになりました鈴木でございます。
 当県西地区には30年前にお世話になっており、考え深いものがあります。当時の家畜保健衛生所は振興業務と家畜衛生業務が一緒になっており、私は振興2課で主に豚を担当しておりました。当時は全国段階の豚の共進会が4年に1回開催されており、静岡県で開催された全日本豚共進会に現在は畜産協会のなかにあります、当時の茨城県種豚登録協会の方々と県西地区の取りまとめとして参加した思い出があります。下妻市・明野町・千代川村・石下町等の方々の種豚がそれぞれすばらしい成績をあげた記憶があります。それぞれの部門で名誉賞を受けた種豚もいまだ記憶にあります。
 さて、昨年の我が国の畜産業について見ますと、平成15年12月末の米国におけるBSEの発生、国内外における高病原性鳥インフルエンザの発生など家畜疾病が国内需給に大きな影響を与えた年でもありました。
 我が国では山口県で平成16年1月に、79年ぶりに鳥インフルエンザの発生が確認されました。関係機関が協力して全力をあげて対策を講じた結果、続発等問題点はありましたが、速やかに対応出来たかと思います。
 また、このたび家畜衛生部門においては、食品の安全性の確保のため、平成16年9月家畜伝染予防法に基づき、家畜の飼養衛生管理基準が制定され、16年12月1日から施行となっております。家畜(牛、豚、鶏)の所有者が守らなければならない飼養衛生管理基準が定められましたので、これら基準の遵守の徹底に努めて頂きたいと思います。
 今後とも安心して、健全なる畜産経営を営むためにも、家畜伝染病の防疫体制の強化を図り、食の安全を確保し、国民の健康保護の一助となるべく努力していきたいと思いますので、引き続きご協力、ご指導賜りますようお願い致します。



〜 畜産センター長 大垣 茂 〜
 平成17年度の定期人事異動によりまして茨城県畜産センター長を拝命しました。
 私は、畜産センター開設に当たり、基本構想・開発の策定を担当させていただいた経過があり、この度、当センターで仕事をさせていただくことになったのも何かの因縁と思っております。
 さて、御案内のように、本県では消費者のベストパートナーとなる茨城農業の確立を目指して、茨城農業改革を推進しているところであります。農業改革も3年目を迎えることとなり、いまや理念の提示から、改革実践の成果を示さなければならない時期を迎えたと言っても過言ではありません。
 畜産関係につきましては、16年度に「いばらき畜産物ブランドアップ対策事業」が予算化され、常陸牛、ローズポーク等の銘柄畜産物を牽引役として、いばらき畜産物全体のイメージアップと消費拡大が推進され、その成果も見えつつあるようです。
 しかし、目を転じてみますと、昨年11月には家畜排せつ物の管理基準の遵守が義務付けられた「家畜排せつ物法」が本格的に施行され、従来に増して家畜排せつ物処理に対する県民の見る目が厳しいものとなってきておりますし、BSEや鶏インフルエンザの発生は、畜産物に対する安全・安心への関心を一層高まらせる結果となるなど、畜産行政が対応しなければならない課題は年々増加しているのが実情であります。
 このような行政ニーズのなかで、我々試験研究機関はどのように対応しなければならないか、そして畜産農家、関係団体等の期待にどう応えていくのか、もう一度原点に立ち返って真剣に考えていかなければならない時期にきているのではないかと思っております。
 もとより非力・非才ではありますが、それらの諸課題に応えられるよう精一杯その任に当たって参る所存でありますので、引き続きのご指導・ご協力をお願いいたしまして着任の挨拶といたします。



〜 畜産センター肉用牛研究所長 吾妻 健 〜
 当研究所は、現在春真っ盛りです。放牧地の牧草は緑が増し、牛達がゆったりと食べ、その横ではキジのつがいが「ケンケン」と鳴いています。ここ大宮でも桜が咲き始め、飼料作物の作付け準備に入りました。
 私にとって研究所勤務は2度目ですが、最初は新規採用から8年間、友部にあった畜産試験場で牧草育種に2年間と乳牛飼養で6年間勤めました。飼養部にいた時、黒毛和種の肥育試験で和牛と接しましたが、繁殖和牛との接点はありませんでした。それから約25年振りに研究所に参りましたので、見るもの聞くもの真新しく感じております。
 当研究所では、肉用牛に関する試験を行っています。一つには、種雄牛の作出と精液の提供、それらに関する技術の開発を行っています。二つ目には、放牧を主体とした繁殖技術の研究、常陸牛をはじめとする肥育技術の研究があります。三つ目には、当研究所等で開発した技術の実証と普及を図るための野外事業に取り組んでいます。
現在取組んでいるものは、@「耕作放棄地での放牧」とA「不受胎牛放牧実証普及事業」があります。
 @は、耕地の有効利用を図るとともに繁殖和牛の健康増進をめざしており、主に県北地域での取り組みが盛んで、17経営体が電気牧柵を利用した放牧を経験しました。お産も軽くなり、生れた子牛も元気に育ち良い相場で売れ、雑草だらけだった田畑もきれいになり、評判が良く今年も更に増えそうです。Aは、放牧を通して母体の体調を整え、種付けをして地域にもどす事業です。長い間舎内で飼われて一歩も外に出ない生活が長い牛には、当研究所に来ても外出を好まない牛もいます。
 様々な牛達と奥久慈の自然がある当研究所へ一度訪ねて来てはいかがでしょうか。職員一同お待ちしております。新米所長もおりますので!



〜 畜産センター養豚研究所長 長塚 恵市郎 〜
 この度、茨城県畜産センター養豚研究所長を拝命いたしました。
 農業(畜産)情勢をみますと、@食の安全や健全な食生活に対する高い関心があること、A農業従事者の減少・高齢化の進行が続いていること、BWTO農業交渉や韓国・タイ・チリ等とのFTA・EPA交渉が本格化していくこと、C環境問題に対する高い関心があること、等大きな情勢の変化があり、畜産経営にとり以前にも増して厳しい環境の中での経営を余儀なくされております。
 昨年2月に策定されました「茨城農業改革大綱」では、消費者のベストパートナーとなる茨城畜産となるべく、「銘柄畜産物を牽引役とした高品質な畜産物生産への転換」を図ることにより、畜産経営を安定的に発展させていくこととしております。養豚分野では、ローズポークの生産頭数を平成22年度までに5万頭までに拡大することとしております。このためには、輸入豚肉にも対抗し得る生産性の向上及び一層の品質の向上等が必要となってまいります。
 畜産業は多くの技術を複雑に組合せた技術集積型の産業であり、技術の良し悪しが経営を左右することとなります。養豚研究所では、消費者ニーズに対応した安全でおいしい高品質な豚肉を低コストで生産するための技術開発等の試験研究を積極的に行っております。
 ○ローズポーク生産のための
  @ランドレース種系統豚の造成
  AローズW−2に適した系統の組合せ検定
  BローズW−2の維持
 ○家畜福祉を重視した豚肉生産のための
  @ストレスを軽減する飼養環境の検討
 ○資源の活用と特長ある豚肉生産のための
  @未利用資源の飼料化試験
 ここで得られる成果は、養豚農家に役立つものと確信しております。今後とも、限られた予算の中ですが、職員一同熱のこもった研究を行ってまいりますので、関係各位の御協力・御鞭撻を賜りますようお願い申し上げ、就任の御挨拶といたします。