平成15年9月27・28日の両日、全国から1,022名の山羊飼育の関係者や研究者らが集まり「全国山羊サミットin水戸」(全国山羊サミットin水戸実行委員会・全国山羊ネットワーク・財団法人水戸市農業公社 主催)が開催されました。![]() ![]() これまで、「全国山羊サミット」は過去5回行われており、いずれも山羊の飼育が盛んな土地で開催されてきました。水戸市では平成3年から山羊乳製品を製造・販売するなど山羊事業の振興に取り組み、全国的にも山羊乳製品の水戸として認知されるようになり、一般消費者に向けて更なる山羊乳製品の有用性を啓発普及するとともに加工技術の普及を図る点から、水戸市で「全国山羊サミット」の開催となりました。 |
今回のサミットは、27日(土)に講演・発表・総合討論、28日(日)に現地視察を行い、講演・発表の部では、「世界の山羊事情」基調講演を全国山羊ネットワーク代表 長野 實氏にご講演いただき、その内容は世界的に見て山羊の飼育頭数は増えており、途上国では山羊は食肉用としての利用が多く、山羊肉は牛肉や豚肉より高価であることや、先進国では乳や乳製品としての利用が主で、特に山羊乳チーズはグルメに人気であることなどユーモアを交えご講演いただきました。 次の講演では、チーズ&ワインアカデミー講師 栢 英彦氏に「フランスの山羊乳チーズについて」と題し、フランスの山羊乳チーズの歴史と分類、山羊乳チーズとワインの相性、山羊乳チーズの効用など幅広い分野のご講演をいただきました。 発表では、八丈町役場家畜診療所 獣医師 浅沼今日子氏に「八丈町における山羊飼育の現状」について発表していただきました。八丈島は、昔から山羊肉を食べる習慣があり、一時は島内のスーパーに山羊肉が販売されていたこともあったが、食生活の変化により山羊肉の消費が減少し、販売されなくなったことや、山羊の糞を利用したたい肥作り、精神発達障害を持つ子供達への山羊の利用(アニマルセラピー)などについて紹介されました。 総合討論は、全国山羊ネットワーク世話人 萬田正治氏が座長となり行われ、参加者から「山羊の飼育方法」「山羊飼育の経費」「山羊の感染症」「山羊乳の成分について」など多くの質問があり、活発な意見が交わされました。 また、サミット会場入口では優良みやげ品協会の水戸市内特産品の販売や、山羊乳製品のPRを兼ねた山羊肉、山羊乳、ヨーグルトなどの乳製品を販売するなど好評でした。 翌28日(日)は、水戸市森林公園にある山羊乳加工場 森のシェーブル館と清掃工場から生じる余熱を利用した水戸市植物公園を視察しサミット全日程終了となりました。平成16年度の「第7回全国山羊サミット」は、群馬県前橋市で開催されますので、山羊の利活用等の参考にしていただきたく、ぜひご参加してみてください。 |