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家畜診療センター開設3か月を経て
茨城県農業共済組合連合会家畜診療センター 獣医師 萩谷かおる



   日頃より皆様には農業共済事業の運営にご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
 茨城県農業共済組合連合会(NOSAI茨城)では,近年の産業動物獣医師の減少に伴う畜産農家からの要望に対応するために今年4月から家畜診療センターを開設いたしました。
 センター開設により,臨床獣医師が不足する地域での診療や,主治医が往診できない際の代診も可能となりました。また,血液検査やバルク乳検査による飼養管理指導などの損害防止事業においても,迅速な検査結果報告とそれに基づく指導に加えて薬剤投与などの応急処置が実施できるようになりました。
 私は昨年度NOSAI茨城に新規採用された獣医師の一人です。昨年は主に牛の廃用事故認定や病傷事故診断書の審査あるいは損害防止事業などの業務に従事してきました。その間にNOSAI宮城,NOSAI千葉など合計約4か月間の臨床研修を受け,今年度からのセンター開設に向けて技術習得に励んできました。そして開設した今,昨年とは大きく環境が変化し,初めて尽くしの事に日々奮闘しています。そんな環境の変化に伴って,自分の意識も少しずつ変わったように感じています。
 診療業務を始めて,昨年までとは逆に自分が診療する立場となり,改めての長年臨床現場に立たれている獣医師の先生方の大変さを痛感しています。引き続き行っている廃用認定業務の際も,廃用となるまでの経緯や原因を以前に比べてより臨床的な観点から見る意識ができました。診療以外の業務で農家に赴く時も,農場全体を見渡しながら様子のおかしい個体がいないか注意するよう心掛けるようになりました。このような予防意識と,検査等の損害防止事業,その結果に沿った効果的な処置を組み合わせることで,畜産農家における事故低減により経営の安定に向けて少しでも貢献できるよう精進したいと思います。
 センター開設から早くも3か月が過ぎましたが,まだまだ不慣れな点も多々あります。獣医師5人全員で協力しながら日々一歩ずつ家畜診療所としての歩みを進めています。毎日の診療や損害防止事業を通じて,畜産農家や地域農業の発展に寄与できるようこれからも努めてまいりますので,今後とも皆様のご協力をお願い申し上げます。