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「ミルスタ」オープン3周年,そして消費拡大
茨城県牛乳普及協会事務局長 市 村   章


 「畜産茨城」第423号の表紙(あなたのそばの ミルクスタンドが水戸駅に!22年3月8日オ ープン)を飾って早いもので丸3年となります。
 ミルクスタンド「ミルスタ」はあなたのそば のミルクスタンド事業(平成21年10月茨城県 補正予算)で設置されました。
 「ミルスタ」設置の経過は,飼料高騰を始め とする生産資材の値上がりが生産費の高騰を招 き,酪農崩壊の危機感をもって平成20年7月, 酪農危機突破の生産者乳価値上げを要求した全 国酪農民総決起大会が開催され,その結果生産 者乳価は,平成21年3月から10円の値上げが されました。
 そのような状況に鑑み,茨城県は牛乳の小売 価格が引き上げられることで牛乳消費低迷に拍 車がかかり,生乳の生産体制の維持には牛乳 の消費拡大に向けた取り組みが重要であるとし て,本県が酪農県であり牛乳が栄養バランスの 取れた優れた機能性食品であること,そして「ミ ルスタ」スタッフの従業員を確保することで雇 用促進にもつながることから雇用創出基金を活 用しての設置となりました。
 これらのことから,地方初の「ミルスタ」に よる牛乳消費拡大対策を行なうことで,酪農生 産者の窮状打開と県民の健康増進を図ることと し,県内で一番乗降客の多い水戸駅にミルクス タンドをオープンするに至った訳であります。
 オープン時の式典で橋本知事からの「水戸藩 では病気を患った人たちにバランスのとれた最 高の食品として昔から飲まれ親しまれてきたも のが牛乳」又,日本酪農乳業協会本田会長から の「かつて日本が高度成長期下で元気があった 時代,駅での牛乳とアンパンの姿があった。こ の水戸駅での「ミルスタ」オープンは心強い試 みである。」との言葉は牛乳の素晴らしさと設 置に至った称賛の挨拶を思い出します。
 「ミルスタ」設置によって今まで牛乳を飲む 機会の少なかったOL,サラリーマン,高校生 など幅広い方々が「ミルスタ」に立ち寄ってい ただき,水戸駅南北通路の景観ともマッチし, 県産牛乳・乳製品の消費拡大と県民の健康維持 増進を図ることを使命としたその役割は充分に 果たしているものと考えております。
 24年度の牛乳普及協会の活動は,牛乳PR 推 進員(ミルク大使)により幼稚園・小中学校へ の「出前授業」を実施することで,新たなる消 費者とのコミュニケーションの機会をつくり, 更なる県民の健康維持・増進・原発事故以降の 風評被害への払拭を資することとし,緊急雇用 創出基金を活用した「ミルスタ」とのコラボレ ーションを行なってまいりました。
 「出前授業は」本年度牛乳普及協会事 業の特徴であり,「講話」「バター作り体 験」「調理実習」など親と子への活動は 25校になり,「牛乳がとても身近に感じ た」「ウシさんや酪農家がおいしい牛乳 を一生懸命作ってくれていることが分か り牛乳を頑張って飲もうと思いました」 「牛乳は骨の発達にとても良い食べ物だ ということが分かりました」といったお 礼の手紙を頂いております。
 この様に通常の事業活動のほか「ミル スタ」とは別な位置からの茨城県産牛乳 のPRを行なっていることも報告させて いただきます。
 現在の酪農情勢は,「口蹄疫」「猛暑」 「東日本大震災」「東京電力第一原発事故」 「風評被害」,加えて「配合飼料価格の高 止まり」が追い打ちをかけ大変厳しい経 営環境に置かれており,更に国際問題と して「TPP」参加の問題は生産者の経営 意欲の減退につながりかねません。
 酪農生産者は現在,想定される生乳生産費の上昇分等,早期に乳価の値上げ改定を要 求しております。
 この様に酪農情勢はこの3年間更に厳しさを 増しており,「ミルスタ」オープンに至った3 年前の状況と類似しております。
 「ミルスタ」は県の支援もあって運営されてき ましたが今後は自立が求められてまいります。
 来年度から三代続いた「ミルク大使」による PR も終了します。今後は以前から行なってき ました毎月19日の「食育の日」での水戸駅を 利用しての牛乳消費拡大や,酪農理解促進のチ ラシ配り等,「ミルスタ」からの県内乳業社の 生乳乳製品の試飲試食の拠点として創意工夫し ての活動を行なう等,計画的に「ミルスタ」を 中心とした活動展開し,3年前のような大きな 施策の実施も必要と考えております。
 今後も茨城県牛乳普及協会は設立の趣旨に沿 って活動してまいります。
 今後とも関係機関のご支援ご協力をお願いし 報告といたします。