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平成22年度 > 11月号 : 動物用医薬品の適正使用について |
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動物用医薬品の適正使用について |
県北家畜保健衛生所 川上純子 |
平成19年に名古屋市が卸売市場に出荷された鶏卵の動物用医薬品の残留検査をした結果、食品衛生法で定められた基準値を超えるトリメトプリムが検出され、鶏卵が食品衛生法違反で回収命令されるという事例がありました。 生産農家住所地の岐阜県による調査の結果、岐阜県下の養鶏農家において、薬事法に基づく使用者が遵守すべき基準に定められた使用対象動物でない採卵鶏に、当該成分を含有する動物用医薬品を投与していたことが確認されました。当時この事例は卵に対する信頼を損ねたこととして新聞等で報道されました。 また、今年度当所病性鑑定事例において、ニューキノロン系抗生物質耐性(抗生物質が効かない)のサルモネラ菌及び大腸菌が検出されており、畜産現場でのニューキノロン系抗生物質の乱用による耐性菌の出現が危惧されます。 動物用医薬品は、畜産物への残留や耐性菌の発生を防ぐため、副作用の強いものや病原菌に対して耐性を生じやすいもの(抗生物質、ホルモン剤、ワクチン等)は「要指示医薬品」として指定されています。 要指示医薬品は、獣医師が診察し指示書の交付を受けた者でなければ購入できない医薬品です。 さらに使用者には「対象動物」「用法・用量」「使用禁止期間」等の使用基準の遵守が義務付けられています。 より安全・安心な畜産物を消費者に届けるため、 また耐性菌の発生を防ぐため、「うちは関係ない」と思わず、いま一度動物用医薬品の管理・使用方法の確認と厳守をお願いします。 【確認事項】 1 抗生物質、ホルモン剤、ワクチン等を購入する場合には、事前に獣医師の診察を受けて、処方せん の交付もしくは指示書を受けましょう。 2 薬の箱や袋、添付書類、指示書の内容を確認して使用しましょう。 (1) 使用対象動物 (2) 用途 (3) 用法・用量 (4) 休薬期間または出荷制限期間 (5) その他使用上の注意 3 薬を与えた個体もしくは群、投与日、薬品名、休薬期間などがわかる様に表示しましょう。 4 動物用医薬品を使用した際には記録をするよう努めましょう。 (1) 使用年月日 (2) 使用した場所 (3) 使用下動物の種類、頭羽数、耳標番号 (4) 動物用医薬品の名称、使用量 (5) 休薬期間または出荷制限期間 5 記録は残留事故等が発生した場合に備えて、出荷等した後も一定期間保存しましょう。 6.注射針は使用前後に本数の確認をしましょう。 動物用医薬品の使用状況を記録・保管しておくことは、万が一の際正しく使用していたことの証明になりますので実施してない場合は、早々にお願いします。 最後にワクチン等の薬瓶は医療廃棄物ですので一般の燃えないゴミとして処分せず、専門業者に依頼するようにしてください。 |
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