現在、東京食肉市場においては、各銘柄牛による枝肉共励会や研究会が 年間約330回ほど開催されております。食肉市場における共励会等は、各銘柄牛がブランド確立に向けた取組の一貫として良質牛を揃えており、生産技術レベルと販売価格の比較として関係者から注目されております。 本会においても、ブランドアップと肥育技術の向上を目的として、常陸牛枝肉共励会等を開催するとともに、関係団体や全国レベルの共励会等にも積極的に参加しております。平成21年においては計22回の共励会等に参加し、県内生産者からも計456頭の黒毛和種を出品しました。

@本会主催の共励会・研究会 (160頭)
5/15 第20回茨畜連常陸牛枝肉研究会 20頭
6/24 第21回       〃 30頭
7/23 第22回       〃 30頭
9/30 第33回茨畜連常陸牛枝肉共励会 40頭
12/ 8 第23回茨畜連常陸牛枝肉研究会 40頭

A後援・協力した共励会・研究会 (148頭)
3/ 3 第13回筑紫畜協 常陸牛研究会 32頭
3/ 4 第35回茨城県常陸牛枝肉共励会 50頭
7/ 7 第30回JA水戸茨城町常陸牛研究会 21頭
9/11 第 6回筑紫婦人部常陸牛研究会 30頭
11/17 第30回美野里肥育部常陸牛研究会 15頭

B本会が参加した共励会・研究会 (148頭)
2/20 第44回肉用牛枝肉共励会 10頭
2/27 第15回名人会肉用牛枝肉研究会 12頭
3/13 第22回全畜連肉用牛枝肉共励会 8頭
4/24 第16回名人会肉用牛枝肉研究会 12頭
6/26 平成21年度指定と場枝肉共励会 3頭
6/30 第17回名人会肉用牛枝肉研究会 13頭
9/18 第18回名人会肉用牛枝肉研究会 15頭
10/ 8 第 2回全畜連後継者枝肉研究会 8頭
10/23 第50回関東肉牛共進会 6頭
10/30 平成21年度全国肉用牛枝肉共励会 37頭
11/ 6 第19回名人会肉用牛枝肉研究会 15頭
11/20 平成21年度全畜連肉牛枝肉共進会 9頭

 枝肉共励会等の出品においては、出荷牛の生体や様々な状況を考慮して良質の枝肉を選定(予想)する難しさがあります。飼育中の飼料給与量や疾病を含む発育経過、血統や体型・外貌等の様々なポイントを材料とし、永年培ってきた経験を生かし選畜する技術は、まさに“名人技”と言えるものです。茨城県からの出品牛は、各共励会において常に安定した成績を上げており、また全国レベルでの数々のタイトルを取得している実績もあります。他県から「茨城は機械を使って選定しているの?」と言われるほどに類い希な技術を有する生産者が多く、食肉市場での常陸牛は常に高い評価を受けております。

【平成21年共励会等での個人別入賞数】
(7回)研修農場
(6回)木村四郎・加藤牧場
(5回)大和富士夫・小松崎博文・倉持伸一
(4回)谷内定雄・市村あつ子・石崎均・設楽俊夫
(3回)皆藤隆夫・川井一浩・渋沢誠・古沢茂和

【平成21年共励会等での種雄牛別入賞数】
(13回)福之国 (11回)北平安
(9回)勝忠平・百合茂 (8回)安糸福・福栄
(5回)第1花国 (4回)安茂勝・糸福・安重福
(3回)茂勝栄・安平照 (2回)平茂晴・金安平・平茂勝

 また、共励会等は良質な枝肉が揃うため購買者(食肉業者)にとっての注目度も高く、一般出荷と比べ販売価格も高いことが生産者のメリットとなっております。特に上位入賞牛は、特別な高値価格で取引される場合が多く、生産者にとっての楽しみとなっております。最近では、全国規模の共励会で入賞するよりも県内版共励会等で入賞する方が高値で販売される傾向が強く、まさに常陸牛の知名度がアップした証であるとも思われます。
 
【平成21年共励会等での高値販売】
(共励会等) (入賞者) (血統) (単価)
35常陸牛 名誉賞 関  良一 藤平茂 3,966円
33畜連共 名誉賞 古沢 茂和 北平安 3,005円
17名人会 最優秀 皆藤 隆夫 安糸福 2,864円
22畜連研 優秀賞 皆藤 隆夫 金安平 2,810円
22畜連研 最優秀 宇都木一夫 菊谷 2,806円
35常陸牛 優秀賞 大和富士夫 福栄 2,803円
35常陸牛 優秀賞 華川牧場 勝忠平 2,776円
33畜連共 最優秀 田上扶美江 安重福 2,753円
23畜連研 最優秀 佐藤 宏弥 金安平 2,770円
21畜連研 最優秀 加藤牧場 福桜 2,731円
35常陸牛 最優秀 木村四郎 北平安 2,709円
21畜連研 優秀賞 佐藤宏弥 安平照 2,707円
20畜連研 最優秀 華川牧場 勝忠平 2,706円
23畜連研 優秀賞 加藤牧場 北平安 2,706円
21全畜共 優良賞 研修農場 第1花国 2,702円
22畜連研 優良賞 市村あつ子 第1花国 2,700円

 共励会で良い成績を取ることと、通常販売を重視した経営成績は別との考え方もあります。しかし、景気悪化により枝肉価格の低迷する厳しい状況の中、@牛好きな生産者が本来の元気を取り戻し、A常に関心を持って飼育管理に努め、B生産者同士の情報交換の場として活用する等、共励会は重要な役割を多く持っております。本会では、平成22年も引続き多くの共励会等を開催・参加する予定でおり、定期的に良質な常陸牛を出荷することこそが、食肉市場におけるブランドアップであると考えております。
 また、今年は10月に開催される東京食肉市場まつりでも本県「常陸牛」が担当となっており、県内農産物等を含め東京で茨城県をPRする最良の年となります。今後は県内の各機関がより連携を密にし積極的な活動を進められよう願うとともに、本会としても常陸牛のブランドアップにより尽力する考えでおります。


(枝肉せり風景)


(名誉賞牛)


(褒賞授与式)