私は水戸市の郊外で乳牛70頭を飼養しています。徐々にではありますが、開発の影響が感じられる昨今です。今年4月には隣接する内原町との合併があり、敷地の裏手を走る県道の交通量が気のせいか多く感じられます。
酪農も飼養頭数の多頭化が進み、限られた耕地と労力の面から、余剰副産物の牛糞の処理の問題が起きてきました。この問題を克服しなければ酪農業を継続することはできません。
「家畜排泄物法」の施行に伴ない、これまで堆肥盤だった所への屋根かけ、堆肥舎の増設、乾燥発酵施設の整備など関係指導機関や先輩諸兄のご指導のもと、一応克服できました。
これらの施設で糞尿はすべて堆肥化され、自己圃場への還元のほかに、近隣農家などで利用され流通しています。当農場の堆肥は牛糞ともみがらが主な原料で、「有機大王」という名前
|
で袋詰め、またはばら積みで販売しています。
長年の試行錯誤の賜物か「茨城県たい肥コンクール」に連続入賞し、安定した賞品の生産にたどり着いたと自負しているところです。数ある商品の中から選ばれて、「偕楽園公園」など公共施設からも買い上げや引き合いが来るようになりました。
水戸市では米の生産調整の一環として飼料稲生産に取り組んでいます。耕種農家と酪農家が連携して生産、利用を行っています。
飼料稲の場合、稲全体を収穫してサイレージ調製するため、地力の衰えが懸念されます。そこで、飼料稲を食べさせてできた堆肥を水田へ還元する事業に取り組み始めました。飼料稲に限らず、堆肥を今以上に田畑に利用すれば環境にやさしい農業の実現に近づくと思います。
|