私はもともと下妻市で養豚業を営んでいましたが、住宅が密集して飼育環境が変化したため、より美味しく、安全で安心な豚肉を目指して平成2年、自然が豊かな山方町(現常陸大宮市)久隆に農場の本体を移転し、有限会社を設立しました。翌々年から本格的に一貫経営に取り組み、母豚250頭から始めて現在はLW母豚700頭、LWD肥育豚7,000頭を飼育しています。その間、銘柄豚の要件を満たす品質規格を確立して「奥久慈ポ
ーク」を生産・出荷するとともに、堆肥化施設を整備して発酵豚糞堆肥の生産・販売も手がけました。
これで移転当初に描いた目標は一応達成されたわけですが、数年来畜産物を含めた食品の不正表示等の不祥事が相次ぎ、養豚生産者としても消費者の「食」に対する信頼回復の一端を担うべきであると考えました。そのような折、生産情報公表JAS規格が制定され、昨年7月から豚肉の認定が始まりました。これは、豚肉の生産情報を消費者に正確に伝える仕組みを第
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三者機関である登録認定機関が認定する制度です。すでに銘柄豚生産のため、個体ごとにトレーサビリティとして記帳していましたので、社員の間からこの際認定を受けようという声があがりました。
認定を取得すれば消費者と顔の見える信頼関係がより深まるため、JAS規格である記録、保管、公表について社内の責任分担を明確にし、各種講習会を受講して登録認定機関に申請しました。書類審査、現地審査を経て、4月18日に晴れて生産情報公表豚肉の生産行程管理者として認定されました。ここに至るまでには多くの方々のご指導があり、関係者には深く感謝する次第です。
今後はJAS規格の趣旨にのっとり情報管理を徹底するとともに、県内養豚生産者の方々と勉強を重ねて一層良い豚肉づくりに励み、輸入品に対抗できる力量をつけたいと思っていますので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
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