茨城県の採卵用成鶏雌の羽数が、首都圏に近く温暖で広大な土地を有する等で、常に全国第1位を争っているのは周知のとおりです。
 この養鶏大国に新たな目玉ができました。平成15年10月20日付けの登録認定機関である(社)茨城県畜産協会により筑波地鶏とやさとしゃも(別称 北浦しゃも)の生産者が、地鶏肉の日本農林規格(以下略して特定J A S規格)の地鶏肉認定に係る「生産行程管理者」と「小分け業者」の認定を受けたことです。それぞれ9番目と10番目になりますが、これによって肉にJASの地鶏マークを付することができます。
 また、奥久慈しゃもについても現在申請中で、年度内には認定が受けられる見込みです。これまでに全国で認定を受けたのは8種の地鶏についてですが、これらは殆ど各県1種類ずつであり、茨城県のように3種(1種は申請中)の認定地鶏を持つ県はありません。今後は種類の多さを誇るだけでなく、それぞれの地鶏の特徴を生かしながら、生産の伸展を図っていくことが必要になります。折角の機会ですので、ここで地鶏について少々解説を試みたいと思います。
1.地鶏とは
 地鶏という言葉は、養鶏界ではいろいろな所で使われております。例えば「地鶏の卵」と名づけて販売している場合の地鶏は、地元産の意味、或いは地面で飼っている(平飼い、放し飼い等)鶏の意味、更にはその地域特有の鶏種(名古屋種等)のような意味合いで使用されています。また、天然記念物に指定されている日本鶏にも「地鶏」がありますが、これらは岐阜、伊勢、土佐地方等各地で弥生時代に渡来した鶏が土着したものです。さて、今回の特定J A S規格の「地鶏」とは@血統の基準:在来種(明治以前に成立した38鶏種)の血液が50%以上のもの。A飼育管理基準:飼育期間:ふ化から80日以上。飼育方法:28日齢以降平飼い。飼育密度:28日齢以降1uに10羽以内を満足したものです。
2.認定を受けた2種及び申請中1種の地鶏
 この中で最初に開発したのは、県北山間地域振興の一助として、大子町近辺の農家と旧養鶏試験場が協力して開発した「奥久慈しゃも」です。
 昭和60年に、奥久慈しゃも生産組合が生産を開始しました。種鶏の組み合わせは、父親として食味に定評のあるしゃもを、母親としてはこれも食味の良い名古屋種と食味と産卵に優れたロードアイランドレッド種の交雑種を用いています。
 昭和60年には、大阪で開かれた特殊鶏の味の品評会で第1位に評価され、全国ブランドとしての地位を確立しました。東京の松坂屋では、多くの特殊鶏肉中最も高価に販売されています。年間生産羽数は増加しつつあり、15年度は5万羽程度と見込まれます。
山のとり肉 奥久慈しゃも
連絡先 農業組合法人奥久慈しゃも生産組合
茨城県久慈郡大子町袋田3721
TEL 02957-2-4250  FAX 02957-2-2944
 一方、八郷町農協では、地域の特産品として新しい肉用鶏の開発に取り組み、平成2年から「やさと地鶏」として生産を開始し、平成9年には「やさとしゃも」と改称しました。父親にはしゃもの純粋種を用い、母親には農水省が開発したはりまと在来種の土佐九斤、発育の優れたホワイトコーニツシュ種とホワイトロック種の4元交雑種を用いています。飼料には遺伝子組み替えをせず、収穫後には殺虫剤等の農薬を使用していない原料を使用しており、納豆菌やオリゴ糖も添加し、安全安心でヘルシー且つ美味な鶏肉として、生協を中心に販路を開拓しています。年間生産羽数は6万羽程度です。
やさとしゃも(別称:北浦しゃも)
連絡先 JAやさと産直課
茨城県新治郡八郷町大字山崎297-5
TEL 0299-46-1815  FAX 0299-46-1814
 「筑波地鶏」はしゃも系統の前記2種とは異なり、父親には発育の優れたホワイトコーニツシュ種を用い、母親には食味の優れた比内鶏とロードアイランレッド種の交雑種を用いて、経済性と食味の両立を狙ったものです。
 この筑波地鶏は、茨城県畜産センターが中心となって平成10年から開発に取り組んでまいりました。平成11年施行の特定JAS規格に合わせて、飼育期間は80日間に設定しています。現在は農家において試験飼育中です。
筑 波 地 鶏
連絡先 (有)共栄ファーム
茨城県西茨城郡岩瀬町水戸210
TEL 0296-75-4152
連絡先 JAやさと産直課
茨城県新治郡八郷町大字山崎297-5
TEL 0299-46-1815  FAX 0299-46-1814
3.茨城地鶏振興の取り組み
 このような茨城の地鶏生産の振興を図るため、平成14年度にいばらき地鶏振興協会が発足し、J AS認定の取得と、各種行事への参加を通してPRに当たっております。機会がありましたら、是非御賞味下さい。