「高品質堆肥の生産と販売」

上郷堆肥組合
代表 戸辺久夫
連絡先:〒319−3703 茨城県久慈郡大子町上郷405
電話:02957−7−0601


1.構成員および経営規模

構成員   酪農農家  2戸
        肉用牛農家 1戸

経営規模 乳用牛   成雌牛60頭  育成牛30頭   計 90頭
       肉用牛   繁殖牛15頭             計 15頭
                                    計105頭

2.施設および機械

処理装置    埼玉式KSコンポ
          醗酵槽容積 長さ50m×幅8.5m×深さ1.1m=467.5m³
その他の機械 袋詰め機械 一式
          ローダー   1台
          2tダンプ   1台
施設面積    処理装置部 520m²  堆肥・積込場 216m²  計 736m²

3.処理の流れ

 牛舎はバーンクリーナーを使用しており、ふん尿混合物を2日に1回ダンプで堆肥舎(処理施設)まで搬送する。
 直接またはスクリューコンベアを使用して発酵槽へ投入する。装置で攪拌・送風を行って発酵させる。(3ヶ月)
 堆積場で2次発酵させる(3ヶ月)

4.流通方法

 バラ販売:組合員がダンプで運搬(2t車 4m³) 10,000円 運搬料:町内無料

 袋販売 :300円(20L) 運搬料:町内無料

 大子町は県北西部に位置し、栃木県および福島県と隣接した八溝山系の山間地からなっている。その北西端には県下で最も高い八溝山があり、本施設はその中腹部に位置している。
 大子町の農家戸数は1,768戸、その内専業農家285戸・兼業農家1,483戸(第1種兼業農家170戸・第2種兼業農家1,313戸)、専業農家数の割合は16.1%である。
 耕地面積は54,800haで、うち田29,100ha、畑25,800haであり、畑の内訳を見ると普通畑21,500ha、樹園地3,607ha、牧草地626haである。樹園地ではリンゴ栽培が行われている。
 主な家畜飼養状況は乳用牛50戸・1,050頭、肉用牛400戸・3,610頭で肉用牛の繁殖農家が多い。
 農業粗生産額は373千万円でありうち、畜産は141千万円(肉用牛64千万円 乳用牛53千万円 豚24千万円)で37.8%を占めている。

 当地域では大子町のリンゴ、大宮町のハウス野菜、常陸太田市の水稲、金砂郷町のパンジー・トルコキキョウ等の生産農家集団があり、それぞれの作目に適した良質な堆肥の生産が求められていた。
 特に大子町のリンゴ生産者からは堆肥醗酵に際しての醗酵菌の利用や耕種農家からのオガコやバークを使用しない堆肥生産の要望が強かった。
 これらの要望に応えるため発酵菌やもみ殻とイナワラを使用した堆肥生産を行い、地域の特産物生産の一端を担っている。
 地域の生産グループとの特約販売に重きを置いたことが販路の安定化につながった。

 農家、生産者集団等の取引先をさらに増やし、年間契約により安定的な生産、出荷の出来る体制を拡充することが求められる。