家畜排泄物は、積んでおけばそのうち堆肥になってくれると思っていませんか?それは、大きな間違いです。家畜排泄物を堆肥に変えるのは微生物の働きによるものです。堆肥を上手に作るためには、微生物が働きやすいように環境を整えてやることが必要です。
それでは、どんな環境を整えてやればいいのでしょうか?微生物も生き物です。私たち人間と変わりません。水と空気と食べ物がなければ死んでしまいます。さらに、温度管理も重要です。ある程度の時間も必要になります。

水分 微生物は、40%以下の水分では活動できません。堆肥化するには、60%〜70%の水分が適しています。
空気 堆肥化を効率的に行うためには、好気性の微生物に働いてもらいます。嫌気性の発酵より好気性の発酵の方が20倍も効率がよいのです。また、嫌気性発酵は家畜糞特有の嫌なにおいを発生します。分解するものの多い始めの頃には、特に多くの空気が必要です。
オガ粉などを使って水分調整が必要だと言われています。水分が多いと密度が高くなり、通気性が悪くなるためです。水分調整ではなくて密度調整が正解です。
食べ物 エサは、家畜の糞です
温度 寒いと働きが悪くなるのは、微生物も人間も変わりありません。微生物の最適温度は、中温菌が40〜45度、高温菌が60〜65度くらいと言われています。暑いのが好きな菌とそうでない菌がいるのです。温度が上がるのは微生物が働いている証拠です。
温度を効率的に上げるには、微生物が出した熱を外に逃げないようにします。堆肥の原料を堆積させるのはこのためです。
微生物 微生物は、糞の中にたくさんいます。ふん1gあたり1〜10億匹です。基本的には、この微生物を活用することが大切です。また、自分の家の戻し堆肥も大変役立ちます。

あとは、時間です。微生物は働き者ですが、堆肥化は一朝一夕には出来ません。切り返しは、空気の供給をよくしたり、製品を均一にするのに必要です。時間短縮のために、最初に肥料を均一に混ぜる事も効果があります。