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第38回茨城県畜連常陸牛枝肉共励会
茨城県畜産農業協同組合連合会




 平成26年9月24日(水)〜26日(金),東京都中央卸売市場食肉市場において「第38回茨城県畜連常陸牛枝肉共励会」を開催しました。本共励会は本会が主催し,茨城県・全国畜産農業協同組合連合会・東京食肉市場株式会社の後援を受け,常陸牛のブランド化及び生産農家の肥育技術向上等を目的として昭和52年から毎年継続して開催しております。今回は,本会傘下の常陸牛指定生産者が丹精込めて飼育した黒毛和種の中から40頭を厳選して開催しました。
 出品牛の内訳は去勢35頭・雌5頭で,平均出荷月齢は30.8ヶ月齢でした。出品牛40頭中37頭がAB−4等級以上の「常陸牛」に格付(上物率92.5%)され,平均BMSb8.0という好成績の品揃えとなりました。職員一丸となって選畜した結果,出品牛の平均が枝肉重量555.6s・ロース芯面積69p2,バラ厚8.5pと肉量・肉質・体型と三拍子揃った素晴らしい共励会にすることができました。講評においても「肉質良くボリュームのある茨畜連の常陸牛らしい力強い枝肉が揃った」との評価もいただきました。
 また,体型の揃った高品質な枝肉が非常に多く,審査員の投票も割れ入賞牛を決める枝肉審査も大変苦慮されておりました。そのような中,栄えある名誉賞に輝きました長島勝男氏の出品牛は,BMSbヘ12(最高値)・枝肉重量590s・ロース芯面積88p2・バラ厚9.4pと,無駄脂が無く・肉張りも良く・肉質と肉付き均称に優れた常陸牛を代表する枝肉でありました。
 現在の枝肉相場は,4月からの消費税増税が高級牛肉に影響し上位等級を中心に低迷が続いており,最高ランクに近い枝肉ほど影響が顕著になっております。しかし,本共励会にあっては低迷する相場情勢を一蹴し平均販売金額116万円と,芝浦で今年度上半期に開催された全国の各種共励会の中で最高の販売価格となりました。この結果は,@品揃えの良さ,A共励会に参加した購買者の多さ(今回は20社が購買),B新たに始めた「オレイン酸」の測定・開示の取り組み,等が影響したものと思われます。また,常陸牛をPRする共励会・研究会では肉質はもちろん,歩留まりの良い体型の牛を揃えて出荷することが,より常陸牛のブランドアップにつながっていくと強く感じました。
 「オレイン酸」に関しては,牛肉の新たな指標として注目が高まってきております。牛肉の美味しさには「脂肪酸」の組成が口溶けや風味に重要な役割を担っております。脂肪酸の中でも一価不飽和脂肪酸(MUFA)である「オレイン酸」は和牛肉に多く含まれており,オレイン酸の割合が高いほど脂肪の融点は低く口溶けの良いジューシーな食感をもたらすと言われております。また,オレイン酸は健康に良い成分であるとの研究結果も発表されております。本会では,雪印種苗(株)所有の「食肉脂質測定装置」を活用し,東京食肉市場でも初の取組みとして平成23年よりオレイン酸の計測作業を開始しました。今年2月からは枝肉への刻印と証明書の発行によりオレイン酸測定値の開示も始めました。本共励会の注目度には, 多少なりとも, その効果が反映されたものと考えております。
 最後になりましたが,本共励会を開催するにあたり,ご協力いただいた関係機関の皆様,審査をしていただいた諸先生方,出品された生産者の皆様に, 心よりお礼を申し上げます。