昨年まで国営ひたち海浜公園で開催がされていました「ミルクメッセ」は「ちくさん フードコレクション 2014 in いばらき」と名称を変更し
て9月27日(土)・28日(日)の2日間にわたり,茨城県三の丸庁舎で開催され,大勢の人出で賑わいました。
近年における日本の畜産・酪農は,生産資材の高騰や,TPP交渉問題,日豪EPA交渉の実質合意による来年度の発効問題,生産基盤の弱体化等,この問題は畜産全体に波及しており,これらの情勢から,各々からの消費拡大運動は勿論のこと,畜産界が一体となっての消費拡大運動が必要な事態にあると捉え,「ちくさんフードコレクション」を称し畜産関係団体を主催として開催されました。
*主催:(一社)茨城県畜産会館・茨城県牛乳普及協会・茨城県酪農業協同組合連合会・(株)茨城県中央食肉公社・(公社)日本食肉市場卸売協会・茨城県畜産農業協同組合連合会・(公社)茨城県畜産協会・(公財)日本食肉消費総合センター
*後援:茨城県・(一社)全国酪農協会・関東生乳販売農業協同組合連合会・(公社)日本食肉協議会・(公財)日本食肉消費総合センター
サブタイトルを来て・見て・知って・食べて・感じてとし,同時開催の・いばらき県北うまかっぺまつり(県農村環境課主催),28日(日)開催の・水戸まちなかフェスティバルの開催,そして天候に恵まれての開催は,立地条件にも恵まれて大勢の来場者に対し畜産品の消費拡大ができたものと思います。
長蛇の列ができた従来からの・「ミートフェアー」(常陸牛試食コーナー)・牛乳をたくさん使った(パンプキンミルクスープ試食コーナー)は勿論のこと・あなたの骨は大丈夫?とした(骨密度測定コーナー)・伝統的な道具で作った(バターチャーン実演と試食でのバターの提供)・搾乳体験のために造った(模擬牛での手造り乳搾り体験コーナー)・本物のトラクター展示・ロールベールらくがき大会・畜産品,牛乳,乳製品
販売コーナー・「ミルスタ」の移動販売・牛乳パック工作・牛乳パックプール・こどもコーナー・ステージでの色々なアトラクションをはじめ,
セレモニーでの県農林水産委員会村上典男委員長の挨拶,・牛乳早飲み大会・モーレツいばらきクイズ等,盛りだくさんの内容は大勢の来場者に喜ばれ,又,楽しい一日を過ごされたことと思います。
ちくさんを知ろうコーナー(畜産パネル展示)では,・牛乳のできるまで・酪農家の一日・常陸牛とは!・ローズポークとは!等,パネルで紹介をいたしました。
しかしながら,消費者への方々に対しての日本の畜産,酪農については,充分なる現況の訴えはできなかったように思えます。
それは,酪農でいえば・酪農家戸数の推移(減少)であり・主要国の生乳生産量であり・バター,チーズ等の輸入国であり日本の輸入量であって,その現実であります。
安定的な畜産の供給には,消費者における各々の価値の理解は勿論のこと,畜産,酪農の存在の意義の理解も根本的には必要であり,生産者
における生産基盤等の実態をも知ってもらうことも必要であります。
酪農における訴えるべく現実を整理すると次のようになります。
@ 酪農を取り巻く環境は今,こんなに大変!
(生産コストの増加に加えTPP等,将来への不安などから生産者の廃業が続き,その不安は後継者を含め酪農経営継続のための投資を躊躇させています)
1963年 42万戸 → 2013年 2万戸
A 減少し続ける生乳生産!
(酪農家の減少を背景に牛乳生産量の減少が止まりません)
1996年 866万d → 2013年 745万d
B 高騰し続ける飼料価格!
(エタノール製造にトウモロコシが向けられ,飼料価格が上昇)
2006年 → 2013年 1.5倍
C 国際乳製品市場で需要が増加!
(新興国での需要が増え価格が高騰しています)
D 子どもたちの成長に欠かせないのが牛乳です!
(良質のたんぱく質,消化の良い脂肪分,豊富なカルシウムやビタミンA ・B群等,必要な栄養が詰まっています)
E 酪農は社会貢献をしています!
(草や他産業の副産物を食料に変え,ふんを飼料として還元し循環型農業の機軸を担い,日本の国土保全と里山の美的環境維持にも貢献しています。)
世界の生乳生産量は年々拡大していますが,日本では減少しています。
これが現実の改善には「国内産」が如何に重要であるかを消費者に対しての理解につなげるかが重要であって,それが理解醸成であり,消費
拡大につなげることが本来のイベント開催の意義であると考えます。
不十分であった現実の訴えを含めて,「ちくさんフードコレクションin2014いばらき」の開催報告といたします。
今,畜産・酪農が大変なんです
模擬牛での搾乳体験
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