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県西地域特定家畜伝染病防疫シミュレーションの開催
茨城県県西家畜保健衛生所


 高病原性鳥インフルエンザ等の特定家畜伝染病防疫シミュレーションは,昨年度から,現地対策班を構成する農林事務所,家畜保健衛生所と市町村,保健所,警察署との連携を更に強化するため各地域で開催しています。 
 今年度の県西地域特定家畜伝染病防疫シミュレーションは,来る10月16日に,昨年に引き続き,筑西市明野公民館(筑西市海老ヶ島2120-7)で開催致します。
 今年度のシミュレーションは,昨年度の総合討議でいただいたご意見やアンケートの回答を踏まえ次のような内容を計画しました。




 机上シミュレーションは,10万羽飼養の採卵養鶏場で発生があり,1万羽,5万羽飼養の農場で続発するという想定で行い,殺処分作業は,防疫作業者がイメージしやすいように動画を用います。
 体験型シミュレーションは,防護服の着脱,消毒作業を行います。
 防護服の着脱においては,昨年の総合討議でウイルスの身体への汚染がないように,特に,脱衣方法の更なる検討が必要との指摘をいただきました。防疫作業者が防護服をスムースに着衣し,ウイルスに汚染されることがないように脱衣できる方法を検討し,改訂版防疫作業マニュアルへの掲載,防疫作業者が見てわかる防護服の着脱方法のパネル(写真1)作成を行いました。パネルは,防疫シミュレーションで展示します。



写真1 パネル


 昨年度のアンケートでは,多くの参加者の方から,実際に防護服を着用してみたいとの要望がありました。今年度は,より多くの参加者の方に,防護服を着て体感していただく予定です。
 また,保健所からは,専門的な立場で「鳥インフルエンザウイルスからの感染予防と熱中症対策について」話しをしていただきます。
 消毒作業は,消毒器(動力噴霧器)の組み立てから行い,動力噴霧器を使った噴霧方式による消毒体験を計画しています。
 平成22年,宮崎県での口蹄疫の発生の際には,最大で142箇所に消毒ポイントが設置されました。噴霧方式(写真2),消毒槽方式(写真3), 消毒マット方式(写真4),自然流下方式(写真5)など設置場所に適した方式で設営されました。
 今回,筑西警察署からは,「通行制限並びに消毒ポイントでの安全な車両誘導方法について」と題し,交通安全の観点から,設営場所,消毒方式ごとに安全な車両の誘導方法について説明をしていただきます。



写真2 噴霧方式

写真3 消毒槽方式

写真4 マット方式

写真5 自然流下方式


 防疫シミュレーションは,実際の防疫作業について体験する場を設けることで,現地対策班の対応能力,関係機関の連携強化を図ることを目的に行われるものです。本年4月,熊本県で,我が国で3年ぶりにH5N8亜型ウイルスによる高病原性鳥インフルエンザが発生した際,熊本県及び関係市町村,農協等の夜を徹した防疫作業により,病性決定後72時間以内に発生農場の防疫措置が終了しました。本事例は,畜主の早期通報,県をはじめとする関係機関の迅速・的確な初動対応によりまん延防止,早期終息が図られたものと評価されています。
 我々も万一の発生時には,迅速・的確な初動体制を整え,被害を最小限に抑えられるように,農林事務所と協力し,定期的に防疫シミュレーションを実施して参ります。
 なお,今年度の地域で行う特定家畜伝染病防疫シミュレーションは,県北地域は,10月1日に小美玉市小川運動公園,鹿行地域は,10月8日に鉾田合同庁舎,県南地域は10月16日に土浦合同庁舎で開催されます。