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乳用牛の改良と共進会について
茨城県酪農業協同組合連合会 秋山 茂

 乳用牛の改良とは…
  酪農経営において,乳用牛に求めることは,泌乳能力でありますが,最も重要なことは『生涯乳量』であり,それが乳用牛の価値にも繋がります。
 生涯乳量を高めるには,選抜淘汰を行いながら泌乳能力を高めて,そして長命連産性も高めることで,生涯乳量を高めることが出来ます。
 その様に生涯乳量を高めることで,酪農経営ではどのようなことが生じるかというと,長命連産性が長くなれば,更新に必要な後継牛(育成牛)の確保頭数が少なくて済み,育成牛のコスト低減が図られ,さらに泌乳能力が高まれば,乳代金から飼料コストを差し引いた粗利益(収益性)も高まるので,酪農経営が安定していきます。
 尚,茨城県における状況として,牛群検定加入牛の検定成績を引用すると,『平均年齢4才5ヵ月』で『平均産次数は2.4産』となっており,『除籍牛の平均年齢は5才10ヵ月』で『除籍牛の産次数は3.3産』という状況であり,この数値はほぼ全国平均と同様の値となっております。
 酪農経営の要である生涯乳量を高めるために行うのが,『乳用牛の改良』であります。
 特に重要なのは,長命連産性の向上を図ることですが,その長命連産性に非常に関連性の高い,乳用牛の体型形質があります。それが,『肢蹄』 と『乳器』です。
 その体型形質と長命連産性との関連性ですが,その要因として考えられるのは,飼養管理と搾乳管理の作業効率に影響が深い形質であるので,作業効率の悪い乳用牛については,淘汰の対象となってしまうからであります。(別表1の通り)  しかしながら,乳用牛の改良の目的は理解出来ても,実際に飼養している乳用牛が,理想的な体型形質かどうかの判断は,自分では難しいものがあります。
 その判断を適正に第三者の目で行うのが,『牛群審査』であります。
 この牛群審査とは,(社)日本ホルスタイン登録協会の審査員が実際に乳用牛を目で見て,体型の各部位を4部位(22の主要形質と13の調査形質)に分けて線形評価法(1〜9のスコア)によって特徴を明確にし,体型上の良否を判断することであります。
 体型改良の方向性が,正しいかどうかを確認する上でも,積極的に牛群審査を受審いただき,改良ポイントを見付けながら,理想的な体型を追求していただきたいと思います。
 また,一昨年の米国の大干魃の影響を受けて,トウモロコシの収量が大幅に減少したことに伴い,平成25年度第2四半期(7〜9月期)におけ る配合飼料価格は,アベノミクスによる円安誘導も重なって史上最高値を更新し,酪農経営を圧迫している現状があります。
 この厳しい酪農情勢の中で,安定的な酪農経営をしていくための手段として,生涯乳量を高めるための乳用牛の改良が,今まで以上に重要なポイントになると思います。
 当会では,茨城県乳牛改良委員会とともに,長命連産性に関連が深いとされている『肢蹄』と『乳器』の改良度の高い種雄牛を選定し,『推奨種雄牛』として供給しております。
 是非,ご活用いただき,生産者の皆様の酪農経営の一助となれば幸いに存じます。


 共進会のご案内…
  第17回関東地区ホルスタイン共進会が,茨城県で開催されます。
 この共進会には,1都6県から予選会を勝ち抜いた代表牛が出品され,出品頭数は100頭を予定しております。
 開催日時については,現在のところまだ正式決定しておりませんが,11 月中旬を予定しており,会場は小美玉市にあります『茨城県中央家畜 市場』にて開催計画をしております。
 地元での開催ですので是非,ご高覧いただき,当共進会を盛大に盛り上げていただきたく,ご案内申し上げます。
 尚,当県の予選会については,第31回茨城県ホルスタイン共進会で最終選定を行いますが,現在のところ10月下旬で開催計画をしております。