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新任あいさつ



       茨城県鹿行家畜保健衛生所長    大 内 義 尚

 この度の定期人事異動により,鹿行家畜保健衛生所長を拝命いたしました。鹿行家畜保健衛生所は,県に昭和60年に奉職依頼,初めての赴任地となります。
 昨年9月に発生した豚流行性下痢は,南九州で継続的に発生していましたが,一端は2月に発生数が減少した時期もありましたが,3月以降全国的に発生が確認されています。
 そのような中,豚流行性下痢は管内でも4月に3例の発生が確認されていますが,養豚農家や畜産関係者の皆様の日々の消毒が功を奏し,散発的な発生で食い止めることができております。当所では,迅速な診断と発生時の情報提供に努めるとともに,発生農場への消毒薬や消毒機材の提供など,初動防疫対策に重点を置いて地域内でのまん延防止対策を講じております。
 一方,近隣諸国では,口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの特定家畜伝染病の継続的な発生が見られていることから,人による病原体の移動に一層の警戒をしなければなりません。空港などにおける水際での検疫については,農林水産省が強化しておりますが,畜産現場においても農場の防疫に万全を期すことが重要になってきています。具体的には,農家を含めた畜産関係者が,人の出入りが多い場所や他の農場に不要に近づかない,立ち入った際は出入り口での消毒を徹底する,渡航する場合は,行き先の家畜伝染病の発生状況を確認し,畜産関係施設には立ち寄らないことが大切になっています。
 万一,口蹄疫等が発生した場合,周辺への影響は計り知れないものがあり,地域の畜産業衰退の引き金にもなるかもしれません。これまでも畜産は耕畜連携で地域農業を支えてきましたが,本年度からは,畜産業を軸とした水田フル活用で飼料用米の増産が再スタートを切る動きのなか,実需者が減ることは計画自体の先行きが不透明になってしまいます。そのためにも,家畜防疫を畜産農家の問題とするのではなく,地域を挙げて家畜を守る必要があり,地域の防疫体制の構築を急がなければなりません。
 今後とも地域の畜産経営が安定的に発展できるよう,日頃から地域の家畜衛生情報の収集に努め,迅速かつ的確な対応をとるよう,積極的に取り組んでまいりますので,関係各位のご指導・ご鞭撻をお願い申しあげ,新任の挨拶といたします。


       茨城県県南家畜保健衛生所長      栗 山 伸 人

  この度の定期人事異動により,県南家畜保健衛生所長を拝命いたしました。県南家畜保健衛生所は初めての勤務となりますが,どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年度は,国内では高病原性鳥インフルエンザ,口蹄疫等の重要家畜伝染病の発生はなかったものの,近隣諸国では継続的に発生がみられ,その侵入が危惧されていたところですが,4月に入り国内では3年ぶりに熊本県で高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されています。
 また,昨年10月には国内では7年ぶりに豚流行性下痢(PED)が発生し,本県も含め30を超える道県で発生が確認され,哺乳豚で大きな被害が出ております。
 これら家畜伝染性疾病の発生やまん延防止を図るため,畜産農家全戸の巡回による飼養衛生基準遵守の徹底,重要疾病の発生情報提供及び万が一の際に迅速な初動防疫が行えるよう体制を整えてまいります。
 また,畜産を取り巻く情勢は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉,オーストラリアとの経済連携協定(EPA)の大筋合意,円安の影響も加わり穀物価格や原油価格の高騰による生産コストの上昇,さらには消費税アップと厳しい状況にあります。当所としましても,疾病発生予防や生産性向上,畜産物の安全性確保を通して畜産経営安定に寄与できるよう取り組む所存ですので,関係各位のご指導ご鞭撻をお願いして,就任のご挨拶とさせていただきます。

       茨城県県西家畜保健衛生所長      菊 池 理 之

  この度の人事異動により,県西家畜保健衛生所長を拝命いたしました。当所は平成19年度以来7年ぶりの勤務となります。どうぞよろしくお願いいたします。
 県西地域では平坦な耕地を活用した園芸農業が積極的に展開されていますが,畜産においても鹿行地域に次いで養豚が盛んで,また採卵鶏も県央地域に次ぐ羽数が飼養されています。
 さて,家畜衛生分野においては,4月に国内では3年ぶりに高病原性鳥インフルエンザが熊本県で発生し,迅速に現場での殺処分や消毒ポイントでの車両消毒作業などが実施されました。このほか口蹄疫も中国等の近隣諸国で続発しており,未だ日本への侵入リスクは高い状況にあります。一方,昨年10月,7年ぶりに国内で発生した豚流行性下痢は4月24日までに本県を含め33道県456農場と各地で続発しており,農家をはじめ関係者の皆様には引き続き適切な飼養衛生管理についてご理解ご協力をお願いいたします。
 穀物価格の上昇や畜産物価格の低迷など,近年の畜産経営を取り巻く状況は大変厳しいですが,家畜衛生対策はそれを支える柱の一つとして重要であることに変わりはありません。
 私ども家畜保健衛生所としては畜産経営の一助となるよう,また農家の皆様に安全・安心な畜産物を生産していただくため,今後も家畜伝染病の検査業務や飼養衛生管理基準の遵守指導等に努めて参りますので,引き続き関係各位のご支援をよろしくお願いいたします。