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子豚への飼料用米給与でコスト削減
茨城県農業総合センター専門技術指導員 加藤 康明


 1.はじめに

   畜産を取り巻く情勢は,円安等の影響で飼料価格の高騰が続くなかで厳しい経営状況が続いています。
 特に養豚経営は,飼料原料の多くを輸入穀物に依存するため,飼料価格高騰の影響を受けやすく,安定的な飼料確保が課題です。
 近年,飼料用米の肥育豚への給与が取り入れられています。
 農業総合センターでは,普及センターや畜産センターと技術体系化チームを組織し,更なる飼料コスト削減に向け,飼料単価が高い 子豚期における飼料用米給与技術を確立したので紹介します。


 2.飼料用米の給与方法
  (1)飼料用米の形状について
 玄米を粉砕し,粒径2o以下のものを給与します。
 粉砕には,市販の粉砕機(製粉機)に2oメッシュの「ふるい」を取り付けて行います。(図1)
 粉砕機の価格は,処理能力によって異なりますが,1時間に約360〜540 s粉砕するもので,25万円〜65万円程度です。


(2)子豚用飼料への飼料用米の配合割合について
 子豚用配合飼料の25%を粉砕した飼料用米で代替したところ,市販の子豚用配合飼料と同等の発育であり,飼料コスト削減につながる良好な結果でした。
 飼料用米の配合割合を増やすとコストの削減につながりますが,代替率を増やしすぎると発育性で子豚群にバラツキや軟便が発生するので,注意が必要です。
 また,子豚用配合飼料によっては,蛋白質が不足することも考えられますので,必要に応じて,日本飼養標準(養豚)に基づき,魚粉等で蛋白質を補います。
(3)子豚への給与時期
 養豚研究所で試験を行った結果,生後5〜8週齢での飼料用米給与が,発育性・コスト面で有効です。
 注意点としては,離乳直後(3〜4週齢)は,子豚にストレスが掛かる時期なので,避けた方が無難です。
 また,生後8週齢以降の飼料用米給与は,発育のうえで問題ありませんが,コスト面で体重1s増体するために必要な飼料量が増加する傾向にあるため,必ずしもコスト削減につながらないケースがあります。


 3.技術体系化チームによる現地実証
  (1)設定条件
 技術体系化チームとして,養豚農家において,生後6週齢〜8週齢までの2週間,子豚に粒径2o以下の粉砕玄米を子豚用配合飼料 の25%代替給与しました。
(2)現地実証の結果
 期間中,下痢などの疾病の発生はなく,子豚用配合飼料のみを給与した区と同等の増体でした。
 また,試験終了後(生後8週齢〜出荷)の増体についても,全く問題がありませんでした。
 今回の現地実証で使用した飼料等の価格は表1のとおりで,飼料用米を子豚用配合飼料の25%代替することで,体重1s増体するための飼料費が,約10円/kg( 10%程度)の削減につながりました。(表2)
 県内の平均的な養豚農家(母豚120頭規模)で取り組んだ場合,年間約20万円の飼料費の削減が可能です。
 また,子豚用配合飼料の切り替え時期によっては,飼料用米の給与開始を約1週間(生後5週齢から)早めることが可能であり,更なるコスト削減が期待できる技術です。