家畜排せつ物の適正な管理とその有効利用に
努め,良質なたい肥の生産と流通促進を実践し
ている畜産農家を顕彰するため,公益社団法人
茨城県畜産協会・茨城県たい肥利用促進協議会
主催による第12回茨城県たい肥コンクールを
開催し,上位入賞者の栄誉を称え,平成25年
1月30日,茨城県農業総合センターにおいて,
表彰式を行いました。
今年度は,中小家畜部門(養豚・養鶏)で,
放射性セシウム含量の安全性が事前に確認され
ているたい肥を対象とし,養豚11点,養鶏9
点の計20点の出品があり,書面審査,官能審査,
成分評価の項目を審査基準に基づいて審査し,
更に,たい肥の生産・流通状況や環境への配慮
を含めた現地審査により,総合的に評価して入
賞4点が選定されました。
審査方法について,田中宏和審査委員長(県
畜産センター長)より,官能審査は(40点満
点)色・形状・臭気の3項目について評価基準
に基づき審査,成分評価(60点)は,水分(10
点),pH(5点),EC 値(5点),硝酸態窒素(5
点),窒素(5点),リン酸(5点),カリ(5点),
C / N 比(20点)の8項目について分析を行
い分析結果を判定基準に当てはめ得点化し,官
能評価の得点をあわせて合計得点を出し,総合
的に評価したと説明がありました。
臭気において,一部やや不快な臭いがあるた
い肥が見られたものの,40点満点のところ30
点前後のたい肥がほとんどで,あまり大きな差
は見られなかったと全体の講評がありました。
最優秀賞となった石川典靖さんのたい肥は,
開放式発酵処理装置と堆肥舎を用いて生産され
ており,分析数値は水分40%,pH8.9,窒素全
量1.2%,リン酸全量1.6%,カリ全量1.9%,
CN 比18.7となり,それぞれの分析項目で満点
であり,土壌改良資材的な効果と有機肥料とし
ての効果を併せたたい肥といえます。また,石
川典靖さんは第10回のコンクールにおいても,
最優秀賞を受賞しており,今回2回目の受賞と
なりました。
表彰式のあと,最優秀賞受賞者による「良質
たい肥の生産について」の事例紹介があり,続
いて茨城県農業総合センター園芸研究所 土壌
研究室 藤田裕氏から「ナシ栽培における豚ぷ
ん堆肥利用による肥料コストの低減技術」につ
いて,茨城県県央農林事務所 笠間地域農業改
良普及センター 石川恭子氏から「笠間市にお
ける土づくり運動の推進について」,三重県農
林水産部農業戦略課 村上圭一氏からは「鶏ふ
んを使いこなす」の講演がありました。
なお,特別賞として最優秀賞受賞の石川典靖
様に茨城県知事賞,優秀賞受賞の中田修明様に
茨城県農林水産部長賞が授与されました。
最優秀賞受賞の石川さん
優秀賞受賞の中田さん
村上氏の講演
入賞者のたい肥展示
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