茨城県における農業共済団体家畜診療施設は,
概ね次のような変遷をたどりました。
昭和23年度連合会運営による家畜診療所が
6ヶ所に新設され,その後,畜産農家から損害
防止の期待が高まり,昭和26年度には,30ヶ所
に家畜診療所が設置され本県の畜産発展に貢献
しました。
その後,運営が農業共済組合等に移管されま
したが,農業共済制度を取り巻く環境及び家畜飼
養頭数の変化など畜産情勢の変遷により県央地区
1ヵ所に統廃合され,各地区の産業動物は,主に
開業獣医師により診療されるに至っています。
しかし,近年産業動物獣医師の高齢化及び産
業動物を志す学生が減少し,産業動物の診療に
従事する獣医師を確保することが困難となってきま
した。
このような現状から,茨城県農業共済組合連合
会では,平成25年4月1日家畜診療センターの開
設を目指しており,産業動物獣医師の少ない過疎
地域での診療と損害防止体制を確保し,畜産農
家の安定した経営と発展に貢献することを基本理
念としてまいります。
組織体系としては,診療と損害防止の両輪とし
て生産管理獣医医療を目指し,常に畜産農家の
経営の基盤を担うべく,飼養状況を把握管理して
いくための検査業務を充実することによって,畜
産農家のニーズに応えられる診療体制の確立を図
ります。
診療体制としては,一般診療獣医師等との連携に
より,速やかに事故疾病に対応出来るよう診療体
制の構築を図ります。
損害防止における内容としては,
@一般検査による原因の追求(微生物学的検査,生化学的検査,免疫学的検査,寄生虫検査,
飼料等成分分析等)
A飼養衛生管理巡回指導
B繁殖検診(牛,豚の超音波画像機器による妊娠診断など),周産期病,乳房炎,金属異物性疾患,
内外寄生虫疾患等の主要な疾病に対して行う予防処置
C損害の未然防止による薬剤及び活動費の交付
Dバルク乳検査による搾乳方法または環境衛生の改善指導による乳房炎対策等により指導,処置
などを実施することで事故の未然防止と拡大の防止
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以上の項目について強化を図っていきます。
今後,NOSAI 茨城家畜診療センターは,組合員等の
ニーズを十分に把握しながら,畜産農家の安定した経営
を担っていきます。
さらに,畜産の行政事業に対して,一層積極的に協力
し,特に伝染病に対して行政組織と効果的な防疫体制の
連携を図っていきます。
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