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「出前授業の実施」
茨城県牛乳普及協会
事務局長 市村  章

  茨城県牛乳普及協会では,県内産の牛乳や乳 製品の消費拡大と県民の健康増進に資すること を目的に,消費者とのコミュニケーションやPR活 動を通して,その美味しさや健康面での優良性, 安全性について,啓蒙につとめています。
 具体的な活動としては,県産牛乳推進員(ミ ルク大使)による保育園,幼稚園,小学校,中学 校,高等学校への出前授業などを通じて,未来に 生きる子どもたちの健康と身体づくりのため,牛 乳や乳製品への大切さやそのはたらきについて 理解を深め,ひろく利用を進めます。また,そうし た活動を通して,原発事故以降の風評被害につ いても,正しい理解とPRによって払拭することを 目指しています。



 特に,昨年度から全面実施に移された小学校 の指導要領では,総則の中に「食育の推進」を新 たに取り上げ,家庭,体育,特別活動の中で「食 育」または「食育の観点」を取り上げて指導するこ とが求められています。
 この新学習指導要領は,本年度は中学校で全 面実施に移され,技術・家庭,保健体育の中で「食 育」または「食育の観点」を取り上げて指導すること が求めらています。また,高等学校では,来年度か ら全面実施に移される予定となっています。
 こうした学校における食育の推進については 「食育基本法(平成17年6月制定)」の中で,「食 育を、生きる上での基本であって,知育,徳育及 び体育の基礎となるべきもの」と位置付け,「子ど もたちに対する食育は,心身の成長及び人格の形 成に大きな影響を及ぼし,生涯にわたって健全な 心と身体を培い豊かな人間性をはぐくんでいく基 礎となるもの」としています。そのため,食に関す る指導は,学校教育活動全体を通して総合的に 推進されるとともに,その目標の達成のためには 学校,家庭,地域が互いに連携・協力し取り組む ことが必要であるとされています。

 私ども茨城県牛乳普及協会は,これらのことを 踏まえ,県内産牛乳・乳製品を利用した実習を出 前授業で行い,国民の栄養摂取の現状や問題点 を分かりやすく説明し,望ましい食生活等につい て具体的にアドバイスし,県民の健康増進に役立 つ事業を展開しています。
 本年度の出前ミルク授業は17校を予定してお り,先日実施した小学校での出前ミルク授業で は,親と子が一緒に,成長期の子どもたちにとっ て骨の発育にカルシウムの摂取がいかに重要で あるかを学習し,子どもたちの食生活における牛 乳の大切さについて考えてもらいました。その後 バター作りを体験し,自分で作ったバターをその 場で食べてもらいました。生クリームを容器に入 れて振るだけという単純な作業でしたが,牛乳か らバターが作られるという実体験は,子どもたち にとって大変感動的な出来事であったようでした。
 また,子どもたちは学校給食等で毎日牛乳を 飲んではいますが,家庭では牛乳を飲むことが習 慣化されていない子どももかなりおり,この体験 が,これまで以上に牛乳に親しみをもつきっかけ になったようでした。

 最後になりますが,東日本大震災時の牛乳の 行方やその後の原発事故による風評被害といっ た酪農家の苦しみや悲しみは想像できないほど 大きく,大変なものでした。今回の出前授業でも, 「牛乳で日本を元気に!」というメッセージを込 めた「MILK JAPAN」活動を行ってきました。 安全,安心な美味しい茨城の牛乳をたくさん飲ん で,未来に生きる子どもたちに,健康で元気に成 長してほしいと願っております。