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ホーム > 畜産茨城平成24年度 > 7月号 : 畜産農家と耕種農家の連携による水田農業の構築について |
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畜産農家と耕種農家の連携による水田農業の構築について |
茨城県県央農林事務所企画調整部門 振興・環境室 |
1.はじめに
水田の有効活用と国産飼料活用による食料自給
率を向上させる取り組みとして,畜産農家・耕種
農家双方で飼料米の生産・利用に対する関心が
高まっています。
県央農林事務所では,平成23年度から「畜産 農家と耕種農家の連携による水田農業の構築」 プロジェクトチームを立ち上げ,畜産農家の飼料 米利用促進への取り組みを始めましたので,ご紹 介します。 2.飼料用米利用の目標
この取り組みを始める前(平成22年度)の当
管内の飼料米作付面積は151ha(内管内の畜産農
家が利用している耕畜連携分79ha)でした。飼
料米作付面積を平成27年度に1,000ha(内耕畜
連携分300ha)に拡大することを目標としました。
このため,@飼料米生産技術の確立とモデル 経営体の育成,A飼料米の生産拡大と地域内流 通の推進,B飼料米による家畜飼養技術の確立 と畜産物の販売促進の3本の柱をたて,具体的 な推進を図っています。 3.具体的推進方策とこれまでの成果
@飼料米の生産技術の確立
飼料米生産には省力化・低コストな栽培技術の 確立が必要であり,苗の育苗や田植えを省略でき る直播栽培は有望な技術です。 このため,茨城町内の圃場で湛水・鉄コーティ グ処理による直播栽培実証を行っています。「夢あ おば」や「チヨニシキ」を用いたこれまでの実証 試験では目標収量(537kg/10a)を上回る収量が 得られました。しかし,一部に倒伏があったこと から,これを改善するため,倒伏に強い「べこあ おば」などの品種や堆肥施肥量の見直しなど,平 成24年度も引き続き栽培実証を行っています。 また,笠間市や茨城町内では,家畜ふん堆肥 を施用した実証圃を設置し,資源の循環利用を進 めています。
A飼料米生産の定着化と地域内流通の促進 市町村を巡回し,戸別所得補償制度を活用し た飼料米生産を推進するとともに飼料米利用に関 心のある畜産農家への需要量調査,水戸市など において畜産農家と耕種農家のマッチング会を実 施してきました。 その結果,平成23年度の飼料米作付面積は435ha(内耕畜連携 303ha)に増加しました。
B飼料米による家畜飼養技術の確立
子豚や採卵鶏への給与技術も併せて検討して います。子豚用飼料は単価が高いことから,その 代替利用することを目的に給与実証試験を実施し ました。その結果,代替率25%程度までは代替 給与の可能性がうかがえたことから,引き続き実 証検討する予定です。 採卵鷄では季節等により産卵率や卵質の変化が 見られました。 4.これからの取り組み
飼料米の利用拡大には保管・流通体制の構築
が不可欠ですが,現況では飼料米の保管場所の
確保に苦慮しています。カントリーエレベーターの
活用ができれば,大量の飼料米の安定保管も可
能になることから,利用に向けた具体的な検討を
進めていきたいと考えています。また,米集荷業
者が保有する倉庫などの利用も含めて,今後とも
関係者の方々と調整を図っていきます。
さらに,飼料米の利用拡大には畜産物の有利 販売も必要であり,飼料米を給与した鷄卵など畜 産物の付加価値向上に向け,卵黄等を活かした 菓子等への利用を提案します。 子豚への給与試験(5週齢) |