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平成23年度 > 11月号 : 家畜ふんたい肥の高度利用に関する研究(腐植酸を指標とした家畜 ふんたい肥の土づくり効果の検討) |
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家畜ふんたい肥の高度利用に関する研究 (腐植酸を指標とした家畜ふんたい肥の土づくり効果の検討) |
畜産センター環境保全研究室 大林康信 |
はじめに
家畜ふんたい肥の利用促進に関する研究(H16
〜H18)により、県内で流通する家畜ふんたい肥の
肥料成分及びC/N(炭素率)が明らかになりまし
た。C/Nが10以上30未満のものが全体の80%を占
め、家畜ふんたい肥が土壌改良材と有機質肥料の
中間的な性質を持つことがわかりました。
これまでは、土壌改良効果の指標としてC/Nが
用いられてきましたが、C/Nはオガクズ等水分調整
材の投入によって増減します。
そこで腐植酸に着目しました。腐植酸は、土壌
の団粒構造の形成や保肥力を高める働きがあると
いわれております。腐植酸を分析することで家畜ふ
んたい肥の商品価値の向上と、土づくり効果の明
確化をねらって試験を実施しましたので一部成果
を紹介します。
試験方法
1 家畜ふんたい肥の連用が土壌のCEC
(塩基置換容量)に与える影響の検討
1)試験区を表1のとおり設定しました。 2)土壌のC/NおよびCECを測定しました。 2 液状コンポストが土壌に与える影響の検討 @県内農家で生産された液状コンポスト3点を供 試しました。100ml容のUMビンに2mmの篩で ふるった山砂または黒ボク土の風乾土を20g入 れ、液状コンポストを5ml添加し、ポリエチレン フィルムで蓋をして、蒸留水で最大容水量の60% に調整しながら30℃で2週間培養した後、40℃ で24 時間風乾し分析材料としました。(畑状態 保温静置法) A対照区は蒸留水を添加し、CECを測定しまし た。 表1 試験区
畑状態保温静置法による培養終了後の状況 結 果
1 家畜ふんたい肥の連用が土壌のCECに与える
影響の検討
1)家畜ふんたい肥連用土壌のC/Nは、施用1年 目が最も高く、順に低くなり3年目以降安定し ました(図1)。
2)土壌のCE Cは化学肥料区<鶏ふんたい
肥50%代替区<牛ふんたい肥50%代替区=
鶏ふんたい肥定量区=牛ふんたい肥定量区
(Tukey法:p<0.05)で高くなり、たい肥施用
による保肥力の向上と、土壌中炭素の増加が
確認できました(図2)。
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