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     平成22年度 > 3月号 : 県南地域におけるオーエスキー病清浄化に向けた取り組みと問題点


県南地域におけるオーエスキー病清浄化に向けた取り組みと問題点
県南家畜保健衛生所 清 水 ひろみ


  オーエスキー病(AD)は平成20年12月のAD 防疫対策要領改正以降、新体制でAD清浄化を目 指しています。今回、新体制後2年間の管内の取 り組み状況と問題点について報告します。


  1 管内の豚飼養状況
  9市町村108戸、約10万5千頭が飼養されてお り、5市以外は市町村に散在しています。飼養規 模は30 〜 7000頭で、30 〜 2000頭の中小規模 経営が9割を占めています。


  2 ステータス区分
  農場毎のステータス区分(T〜W)はU前期が 26戸、U後期が75戸、Vが7戸です(H22.11月 現在)。






  3 検査状況
  第1期(H20.11月〜 H21.12月)、第2期(H21.11 月〜 H22.11月)の各期間内にステータスT及びU は14頭、ステータスVは29頭程度の抗体検査を1 〜4回実施しました。採材方法は農場またはと場 で、一部の農場では複数回の検査を実施しました。


  4 検査結果
@検査戸数及び頭数の陽性率
  第1期に比べ第2期では戸数及び頭数ともに減 少傾向で、特に肥育農場での清浄化が目立ちまし た。


  5 問題点
@農場採材の重要性
  管内では35%の農場がと場採材(肥育豚のみ) で、母豚のAD浸潤状況が把握されていません。 一方、陽性農場ではAD清浄化をするために定期 的なAD浸潤状況の把握及びワクチン接種日齢の 適期確認が必要です。AD清浄化するために、今 後は全戸農場採材を実施してく必要があります。

AAD陰性豚の流通徹底
  市場へ販売する豚や一部の種豚販売農場につい てはAD陰性豚を販売しているものの、全ての農 場で陰性豚の流通が徹底されていない現状があり ました。一方、購買者の中にはAD浸潤農場から 導入していた農場もありました。今後はAD清浄 化への十分な理解が得られるよう、販売農場及び 購買者の両面からAD陰性豚の流通について再徹 底するよう指導強化していく必要があります。

B陽性農場のワクチン接種徹底
  陽性農場の中にはAD清浄化を半ばあきらめて いる農場もあり、ワクチン接種に消極的な農場も あります。豚価の低迷等による経済的な理由で接 種出来ないと主張された場合には、ワクチン接種 への指導が困難になってしまいますが、管内また は地域のAD浸潤状況を示しながら、AD清浄化へ の理解を求めていく必要があります。

C陽性農場のADウイルス沈静化
  陽性農場の中には農場内でADウイルスが沈静 化されない農場があります。全頭ワクチン接種し ている農場でも必ずしもそれだけではウイルスの 動きを止めることが出来ないため、併せて飼養環 境の改善やピッグフローの見直しが必要です。し かし、農場側のやる気と実行性がないと対策が進 まず、ADウイルスが沈静化しないのが現状です。 陽性農場におけるピッグフローやワクチン接種は 様々であり、定期的な農場検査を実施しながら、 その結果をもとに農場に則した対策を生産者と指 定獣医師とともに考えていくことが重要で、今後 は全ての陽性農場において重点的に実施していく 必要があります。

D陰性農場でのワクチン接種
  現状ではAD清浄農場でもADウイルスの侵入防 止を理由にワクチン接種を希望する農場も多く見 られます。AD浸潤農場も混在している管内の状 況では行政側から強制的に中止を求めることは困 難です。現在までの検査結果等からAD浸潤状況 が把握されつつある中、戸数が比較的少ないAD 清浄地域では、生産者及び指定獣医師等の関係者 会議を開催することで、ワクチン接種中止への十 分な理解を求めていく必要があります。


  6 今後の指導方針
  新体制後、全ての農場におけるAD浸潤状況が 把握され、徐々にAD清浄化に向かいつつありま す。今後も本県のAD検査及び指導方針に基づい て実施していくことは勿論ですが、今回明らかに なった問題点を解決するために、引き続き取り組 みを強化して、生産者及び指定獣医師等とともに AD清浄化を目指します。