平成23年度 平成22年度 平成21年度 平成20年度 平成19年度 平成18年度 平成17年度〜

     平成22年度 > 1月号 :たい肥の広域流通を目指して〜豚ぷんペレットたい肥の製造が稼働開始〜


たい肥の広域流通を目指して
〜豚ぷんペレットたい肥の製造が稼働開始〜
県南農林事務所振興・環境室


  県南地域は、その多くが排水基準が厳しい霞ヶ 浦流域内にあり、水質保全の面から家畜ふん尿の 農地での利用については県条例により直接還元が 禁止されるなど制限があります。
  たい肥の生産についても、耕種農家が利用しや すいように、高品質で取り扱いが容易であること や、広域流通に適したものであることが地域内の 畜産農 このような中、石岡市にある「山崎堆肥 利用組合」(藤井哲夫組合長)では、平成21年度 家畜排せつ物処理技術実証モデル事業により豚ぷ ん堆肥のペレット化施設を整備しましたので、そ の状況を紹介します。






  1 処理施設の概要



  山崎堆肥利用組合では、堆肥舎で豚ぷんともみ がらを混合し、切り返しにより堆肥化していまし たが、畜産農家が多く、大きな耕種農家が少ない 土地柄もあり、たい肥の需要は思うように伸びま せんでした。
  そこで耕種農家が使い易く、広域流通にも適し ているペレット たい肥に着目し、 ペレット化施設 の整備を実現し ました。
  処理施設の概 要は表− 1 のと おりです。







  2 ペレットの製造過程

  豚舎から搬出された豚ぷんは、1日1回、密閉 型コンポに投入され、約16日間、攪拌と発酵が行 われます。その後、コンポから搬出されたたい肥 は、ふるいにかけられ、ペレットマシンに投入さ れます。導入されたペレットマシンは、1時間に 約300kgのペレットを製造する能力があります。


  最後にペレットを乾燥させ製品となります。




  3 生産ペレットの特徴

  この施設で生産されるペレットたい肥は、水分 が約15%と一般的な密閉型処理施設で生産され た豚ぷん堆肥に比べ、やや低いのが特徴です。ま た、主要成分は、窒素3.7%、リン酸3.1%、カリ 2.4%、C/N比9となっています。
  耕種農家からは、「たい肥は使いたいが散布す る量が多く労力が大変だ。」、「散布機械を持って いない。」といった声をよく聞きます。
  ペレットたい肥は、圧縮されているため散布量 が少なくて済む上に、耕種農家の多くが所有して いるブロードキャスタで散布できるので、上記の ような声などにも応えられます。



  4 ペレット堆肥流通に向けて

  組合では、広域流通に向けてオリジナルのビ ニール袋による袋詰めを開始しました。また、本 格的な流通に向けて、耕種農家はもちろん、家庭 菜園や週末ファーマーなど様々な場面でペレット たい肥を使用してもらおうと考えており、希望が あればサンプルの提供も積極的に行っているとの ことです。
  これらの取り組みがたい肥流通の新たなモデル となるよう期待しています。