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     平成22年度 > 11月号 : 「研究と生産現場との意見交換会in県央」を開催しました


「研究と生産現場との意見交換会in県央」を開催しました
茨城県県央農林事務所農業振興課



所長挨拶


  茨城県では,茨城農業改革の一貫として,昨年から,県の試験研究機関と農家の意見交換会を開催しています。
  11月16日,県水戸合庁を会場として,標記交換会を開催しましたので,関心が高まりつつある「飼料用米」を中心に報告します。
  まず,2つの分科会(水田,園芸)を設け,それぞれに今,話題となっているテーマを設定しました。
  水田関係では,@水田を活用した自給飼料の安定生産と給与技術,A環境にやさしい高品質な米づくり,園芸関係では,@新品種導入による園芸産地の活性化,A地域資源による6次産業化,B県オリジナル品種・新技術導入による実需者ニーズに対応した切り花生産,をテーマに,それぞれ,県試験研究機関の研究内容の発表,意見交換を行いました。
  加えて,水田関係分科会では,飼料用米についての県央管内での取組について,県央農林事務所,笠間市役所,耕種農家,畜産農家から,事例発表がありました。




事例発表


  県央農林事務所管内の飼料用米の作付面積は,今年度(22年産)151haで,昨年と比べ,135.1ha(9.5倍)増えました。これは,県が,茨城農政事務所,地域水田協議会,市町村等と連携し,飼料用米の新たな産地づくりに取り組んだ成果だと思います。取組の内容としては,@飼料会社や畜産農家などの需要先の確保,A流通システムの構築,B飼料用米のPRや栽培技術の指導などです。
  飼料用米(玄米)は,トウモロコシに比べ,栄養価がほぼ同等,TDN(可消化養分総量)は高いという,特徴を持っています。また,トウモロコシほど価格に変動がなく,安定した経営が見込める飼料だといえます。
  これまでの試験結果から,玄米なら,トウモロコシの代替として,乳牛で20〜60%,肉牛で30%,豚で10%,採卵鶏で20%程度添加しても,畜産物の品質はほとんど変わらないことがわかっています。採卵鶏の場合,卵黄色は薄くなるものの,夏場の産卵率の低下をおさえる効果があることもわかってきています。ただ,豚の場合,粉砕しないと消化率が悪いようなので,注意すべき点もあります。今後の試験研究結果に注目したいと思います。
  意見交換では,@畜産農家の需要に対して,生産が十分でない,A国の支援制度について,わかりやすい説明がほしかった,Bもっと飼料用米の生産を行いたいが,国の助成制度の財源は確保できているのか,C飼料用米専用品種の栽培技術(施肥量・栽植密度)を確立してほしい,など,研究から行政まで,広範囲な意見がありました。
  このほか,意見交換会では,家畜ふんたい肥の成分や活用法などについて,試験研究機関から報告がありました。
  茨城農業改革も今年で8年目となり,来年には,新しい農業改革大綱を策定します。
  これからの,県の方向性を示すものですので,畜産茨城をお読みの皆様には,今後とも推進にご協力をお願いしたいと思います。