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     平成22年度 > 11月号 : 常陸大宮地域に2戸の新規就農養鶏農家が誕生!


常陸大宮地域に2戸の新規就農養鶏農家が誕生!
県北農林事務所 常陸大宮地域農業改良普及センター


  常陸大宮地域に2戸の新規養鶏農家が誕生しました。どちらも農業以外の職業から転職しての新規参入です。  人生の新しい一歩を踏み出した2経営体のこれまでの歩みをご紹介します。





  宮永さんご夫妻は、常陸大宮市氷之沢で、平成20年から、平飼い有精卵と有機野菜の生産・販売を行っています。   憲治さんは、以前は服飾関係の会社でデザインの仕事をされていました。しかしいつからか「ひと時の旬を過ぎてしまえば自分の仕事がゴミ同然となる」ファッションの世界に違和感を感じるようになったそうです。その後、就農を決意し、栃木県烏山の「帰農志塾」にて2年間住み込みで有機農業の研修を受けました。就農に至る活動の中で康子さんとも知り合い、一生のパートナーを得ることができました。
  研修の中で担当していた採卵鶏と有機農業で就農することを決め、まずは土地探しを開始しました。実家のある水戸を拠点にめぼしい場所を車で回ってみたものの、なかなかイメージどおりの物件がない上、空家を探しあてても、誰の知人でもない人間に対して交渉すら始められないことが続きました。焦りと不安が募る中、就農希望地を実家に近い水戸近郊から、県北地域にまで範囲を広 げ、常陸大宮市役所に相談に行きました。そこで出会った農業委員会の職員に紹介してもらった物件が、まさに以前から抱いていたイメージどおりの古民家だったのです。その後、その物件を購入し、就農準備資金等を利用して修繕を行ったり、土地を取得したり、新規就農定着促進事業を利用して飼料攪拌機を購入するなどして、やっと就農のスタートラインに立つことができました。研修を終えてから1年、就農を決意してから約5年が経過していました。
  その後、憲治さんのお父さんや、近所の方の協力も得ながら、鶏舎の建設、住居の修繕、畑の整備などをこなし、現在では240羽を飼養し、直売所での卵、野菜の販売や、宅配を行っています。また、自家製プリンの販売にむけて加工所建設に取り組んでいます。お二人の生活について詳しくは「環の花農園ホームページ」(http://www.geocties.jp/wanohananouen/)をご覧ください。また、農文協が出版している雑誌「うかたま vol.21(冬号、2010年12月5日発売予定)」に、康子さんが掲載される予定ですので、そちらもぜひご覧ください。



  伊澤さんは平成21年からご家族とともに大子町上金沢に移り住み、生産組合の一員として、奥久慈しゃも生産に取り組んでいます。
  伊澤さんは栃木県宇都宮市出身で、15歳のときから洋食屋で働き始め、上京してから20代の間はずっと食べ物関係の仕事をしていました。
  食べることが好き、料理が好き。そんな伊澤さんは、あるときテレビで「奥久慈しゃも」のことを知りました。興味をひかれた伊澤さんは、奥久慈しゃもを購入し、他の地鶏と食べ比べてみたところ、そのおいしさに感激したそうです。「同じ鶏なのに、どうしてこんなにおいしいんだろう?」と疑問に思った伊澤さんは、いろいろと調べるうちに「奥久慈しゃも」独特の生産方法を知ることになりました。広い鶏舎で、餌を工夫して、手間をかけて健康に育てることであのおいしさが出来上がる、ということを知っていくうちに、『おいしいものを作って人に提供したい』という気持ちが募り、「奥久慈しゃも」での就農を志すようになりました。
  当時、東京で妻と子供との4人暮らしをしていた伊澤さん。家族に迷惑はかけられないと、仕事をしながら週末に就農活動を開始しました。身内も知り合いもいない大子町での就農地探し。
  収穫がないまま1年が経過したとき、普及センター職員のアドバイスにより、やりたい農業のこと、家族のことなどを記載した「自己プロフィールチラシ」を作成し、関係機関などに配布しました。熱意が伝わったのか、それからまもなく農業委員さんから数ヶ所の候補地を紹介してもらうことができ、現在の就農地が決定しました。
  就農地が決まったら、次は鶏舎建築です。新規就農定着促進事業や、就農支援資金などを活用しながら、鶏舎建設を始めました。雪の中の慣れない大工仕事や、知らない土地での新しい生活など、いろいろな苦労を乗り越えて、昨年3月末に4舎の鶏舎が完成しました。4月、5月と2,600羽の雛を導入し、ついに念願の地鶏養鶏をスタートさせることができました。続いて8月、9月と順調に初出荷を行い、ようやく1回りの作業を経験したところです。
  伊澤さんは「工業製品とは違う、十羽十色の生き物を均一に育てるのは本当に難しいことですが、消費者のみなさんに、この健康でおいしい奥久慈しゃもをお届けできるようにがんばっていきます!」と笑顔を見せてくれました。