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     平成22年度 > 7月号 : 笠間市における飼料米の取組について


笠間市における飼料米の取組について
笠間地域農業総合センター 石川 恭子


  笠間市では,水田の生産調整達成と水田生産者の所得向上を目指して,笠間市水田農業推進協議会として耕畜連携による飼料作物(飼料米・WCS)を推進しています。そんな中で,一昨年より,新規需要米である飼料米の生産が始まりました。初年度である平成20年度は全農との契約により1地域で116aの栽培面積でしたが,昨年は,市外の養豚業者との契約により2地域で3.2haの栽培面積となりました。そして,今年度は63.7haの面積で飼料米に取組む計画となっています。





図1 笠間市における飼料用稲の栽培面積



 平成21年度の飼料米の取組について

  市内の友部地区と岩間地区の2地区において飼料米の生産に取り組むこととなりましたが,市内で飼料米の利用者が見つからない状況でした。そこで,県畜産課と坂東地域農業改良普及センターの協力のもと,境町の養豚業者と協議を重ねた結果「飼料米の供給契約」を結ぶこととなりました。契約の条件として,@玄米での取引とすること,A生産された飼料米を全量販売すること(増減に関わらず),B利用者が用意したフレコンバック(900kg)で出荷すること等を設定しました。また,飼料米の栽培・収穫・乾燥調整までを笠間市内の生産者が担当し,その後の運搬・保管・給与は利用者が行うこととしました。
  作付品種は,飼料稲専用品種であるモミロマンが1,950a,ホシアオバが1,155aでした。平均収量は,モミロマンが507.4kg,ホシアオバが418kgとなり,やや低い値となりましたが,収穫時期の天候に恵まれたこともあり,品質の良い飼料米の生産ができました。




図2 笠間市における飼料米の取組




 今年度の飼料米の取組について

  販売先として,昨年からの継続である市外の養豚業者に加えて,新たに,市内の養鶏・養豚業者,配合飼料メーカーと多様となりました。そのため,今年度の作付面積は63.7haと激増しました。
  栽培品種としては,専用品種(ホシアオバ,モミロマン)と併せて,食用米品種(コシヒカリ,ゆめひたち,ひとめぼれ等)の予定で,それぞれの供給先との契約が終了し,水稲の栽培管理を行っているところです。 昨年度の取組について生産サイドからみた問題点としては,収量が低く,利用者側の需要に見合った飼料米を供給できなかったことです。そのため,今年は,飼料米の収量アップを目指した,適正な品種の選定・適正な肥培管理・適切な栽培管理などを行い,併せて一部のほ場で牛ふんたい肥を利用した取組も行っています。また,水田の団地化及び面積の拡大による生産コストの削減を行うことで収入のアップを目指す予定です。
  新たに今年度より市内の養鶏・養豚業者が加わったことで,市内で耕畜連携の取組が行われることとなりました。給与農家に対して,適切な飼料米の給与やその後の生産物の品質・販売等について普及センターとしても情報を提供しながら,次年度の取組につながるように支援していく予定です。