本県銘柄畜産物のブランドアップの取り組みについては,平成16年度から,畜産関係団体が一体となって推進してまいりました。
 本県銘柄畜産物は,流通段階では高く評価されていたものの消費者段階においては知名度が高いとは言えない状況だったことから,これらを取り扱う店を増やすことによって消費を拡大するほか知名度を向上させるとともに,様々なイベントやメディアを活用してイメージアップに取り組んでまいりました。
 その結果,常陸牛は,この5年間で販売指定店数や出荷頭数が倍増し,ローズポークについても,近年,販売指定店数が増加してまいりました。  
また,県内の飲食店やサービスエリア等で,「常陸牛」や「ローズポーク」,「奥久慈しゃも」といった文字を目にする機会も増えてきたのではないかと考えられます。
 このようななか,ブランドアップの取り組み成果を測定するため,県が毎年実施している「県政世論調査」(無作為に選ばれた県民約1,000人に聞き取り調査を実施)の中で,平成16年度と本年度の2回にわたり,「常陸牛」「ローズポーク」「奥久慈しゃも」の知名度やイメージについて調査を行いましたので,その結果を紹介いたします。


<質問1:そのような銘柄を見聞きしたことがない>
 全ての銘柄で,「見聞きしたことがない」という回答が大幅に減少しました。裏を返せば「全ての銘柄で知名度が上昇した」ことになり,これまでのブランドアップの取り組みの成果と考えられます。
「常陸牛」(93.5%が知っている),「ローズポーク」(88.0%が知っている),「奥久慈しゃも」(85.6%が知っている)の順に知名度が高く,特にローズポークは大幅に知名度が向上しました。  
 また,5年前の調査では,地域ごとのばらつきが大きく,3〜5割の方が「見聞きしたことがない」と答えた地域がありました(常陸牛:鹿行地域で31%,ローズポーク:鹿行地域で50%,奥久慈しゃも:県西地域で44%)が,今回は,全ての銘柄,地域で3割以下のポイントとなり,県全域において知名度が向上した事がわかりました。


<質問2:地元茨城産であることから好感がもてる>
 全銘柄で県民の好感度が上昇しており,これまでのイメージアップの成果と考えられます。特にローズポークにおいて好感度のポイントが大きく上昇しました。    地域別に見ると,常陸牛とローズポークは県央地域で高く,奥久慈しゃもは生産地である県北地域で高くなりました。


<質問3:品質が高く高級感があるイメージ>
他の質問に比べて,5年前と比較した回答割合の増加幅が大きいこと  から,銘柄畜産物の品質の良さが県民に十分認識されつつあると考えられます。


<質問4:安心安全なイメージ>
 全ての銘柄で安心安全なイメージのポイントが上昇したことから,インターネットなどの様々なメディアを通して生産現場の情報を発信した 結果,消費者の信頼感や安心感が向上したと考えられます。特にローズポークにおいて前回よりも大きくイメージが向上しました。



<質問5:一般食肉に比べると値段が高く身近に感じない>
 好感度や安心・安全のイメージは向上しているものの,全ての銘柄で「身近に感じない」という回答が上昇しています。
 販売指定店の増加や流通業者の意見等を踏まえると県内消費量は確実に増えつつあると思われますが,高級品としてのイメージも上昇している事などか
ら, 銘柄畜産物の理解が深まる中で,「通常食べる食肉に比べると(付加価値の)高い畜産物である。」という認識が定着しているのではないかと思われます。



<質問6:購入したり食べたり出来る場所が少ない。又は,わからない>
販売指定店数が増加しているにもかかわらずポイントが上昇する結果となりました。
 地域別に見ると販売指定店数が少ない地域もあり,「名前はよく聞くようになったものの,まだ身の回りには店がない。」という状況も
特に,奥久慈しゃもについては,販売店が県北の一部の地域に多く,それ以外の地域では取扱店が身近にないという状況もあると考えられます。

 今回の調査結果から,これまで関係者が一体となって様々な取り組みを推進してきた結果,目標として掲げていた「知名度向上」や「イメージアップ」については一定の成果が得られたものと評価できます。
 今後とも,銘柄畜産物が,茨城県を代表するブランドとして県民のさらなる支持を得るとともに,全国にも知られたブランドとして確立し
本県畜産物の牽引役として生産拡大を図っていくためには,今後とも関係者の連携強化を図りつつ,知恵を出し合いながら,さらなる品質向上とブランドアップの取り組みにチャレンジしていくことが重要であると考えておりますので,関係各位の特段のご協力をお願いいたします。