とうもろこしのシカゴ相場は一時期に比べ低価格となってきたものの、穀物主要生産国の気候変動やバイオ燃料の増産等に伴う世界的な穀物需給の逼迫と価格高騰は、配合飼料価格の高値推移の要因となっています。
 日本の畜産は、飼料穀物のほとんどを輸入に依存していることから、生産費の多くを占める配合飼料価格の上昇は畜産経営を圧迫しています。
 そのようななか、食品製造副産物、調理加工残さ、食用にならなかった食品等多くのものが廃棄されており、環境問題や資源の有効利用の面からも飼料として利用することが求められています。
 平成17年3月に策定された国の「食料・農業・農村基本計画」においても食料自給率の向上が目標とされ、畜産でも飼料自給率を25%から35%へ向上させる目標が定められています。
 近年、エコフィードという名称で呼ばれるようになった食品残さ等の飼料への利用については、従来から行われてきたものですが、配合飼料価格の高騰や資源循環型社会の構築の対策のひとつとされています。
国では各種施策を講じるとともに、エコフィードの安定供給と品質確保を図るため認証制度を検討しているところであり、今後新たな展開が期待されます。
 エコフィードの有効利用を進めることは、排出する製造業者等においては焼却などの処理経費の削減につながるとともに環境負荷の低減に努める社会的な信頼を高める一方、利用する畜産生産者においては飼料費の低減に役立つとともに工夫によっては特徴ある畜産物の生産が可能となります。
 本県において約12万tの動植物性残さが発生しており(平成15年生活環境部調べ)、県では(社)茨城県畜産協会とともに県内の食品製造業者に食品残さ等の排出状況について調査を実施しています。今後ともさらにエコフィードに関する情報収集を行い、調査結果等について情報発信して供給側である食品製造業者等と利用側である畜産生産者等の間で有効利用を進め、飼料コストの低減や飼料自給率の向上につなげたいと考えています。