【はじめに】
 11月7日に県南地域飼料増産推進会議主催による「自給飼料増産研修会」が開催されました。
 稲敷市(旧 東町)では平成13年度から稲発酵粗飼料(稲WCS)の生産を開始し、現在では作付面積が105haにまで拡大し、県内でも最大の作付面積となっています。
 稲敷市において作付面積が拡大した大きな要因として、コントラクターにおいて収穫・調整・運搬を行っていることがあげられます。今回の研修会では、中央農業研究センターの岡崎泰裕氏が、コントラクターの課題や展望について講演したあと、収穫実演会を実施しました。

【稲敷市における稲WCSの生産】
 稲敷市の南西部に位置する旧東村は耕作地のうち水田が97%を占める水田地帯です。WCS用稲の栽培はJA稲敷低コスト稲作部会が行い、コントラクターは収穫・調整後、ラッピングしたロールを畜産農家に運搬しています。   

【収穫実演会】
 収穫実演会では、中央農業研究センターで開発した新たな自走式細断型イネ専用収穫機で行われました。新しく開発された機械は最短1.5cm(既存機械は6cm)まで稲を裁断し、ネットで梱包するので、密度が高いロールが完成します。ロールの密度が高いので品質が向上し、壊れにくく積みやすいというメリットがあるとのことでした。
 コントラクターの運営で問題となるのが、作業の繁閑が激しいことがあげられますが、今回紹介された本新草地利用組合の事例では飼料稲収穫調整の他、牧草収穫、堆肥散布、稲わら収集作業を組み合わせて農閑期を短くする工夫をしています。また、牧草収穫機械を用いてWCS用稲の収穫も行い、機械への投資額を抑えています。

【最後に】
 今回の研修には、県内から約60名の出席があり関心の高さがうかがえました。コントラクターの設置には畜産農家だけでなく耕種農家との連携が大きなポイントとなります。畜産と耕種を結ぶ調整役として県・市町村・JAなどの関係機関の協力が不可欠です。