この度の人事異動により、県北地方総合事務所畜産振興課長を命じられました。  
 配合飼料の高騰等により畜産経営は極めて厳しい状況にあるなか、平成20年度県北地域の畜産振興を図るため、地域の特性を活かしながら次の3本の重点施策を推進してまいります。
 @常陸牛の子牛生産対策として、和牛繁殖雌牛の導入や酪農家による受精卵移植を推進するとともに、遊休農地放牧等を効率的に実施します。
 A耕畜連携による飼料自給率の向上対策として、国、県の施策を活用しながら稲醗酵粗飼料や飼料米の生産利用、稲わらの収集利用を推進するとともに、関連の収穫機械の整備を図ります。
 B畜産の環境対策として、家畜排せつ物の利用促進を図るため、補助事業等を活用したたい肥化施設・機械等の整備を推進するほか、霞ヶ浦水質保全条例により家畜排せつ物の無処理散布が禁止されたことに対応し、農地への直接還元農家を対象に施設整備を促進します。
  なお、本年度末をもって33年間の地方総合事務所の歴史に幕を閉じることになっており、新組織へ各種施策を円滑に移行したいと思いますので、関係各位のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

 この度の定期異動により県西家畜保健衛生所勤務を命ぜられ過日着任いたしました。県に奉職して30数年になりますが、県西家畜保健衛生所の勤務は初めてであります。何分、畜産農家の方々や、地理も分からず不安もありますが、地域の家畜衛生に尽力してまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
 当所の管轄地域は、利根川、鬼怒川、小貝川の流域に開けた平坦で広大な耕地を有し、地域の中を平地林が散在し、豊かな自然が残されております。また、首都圏に近いことから、首都圏の生鮮食料品供給基地として重視され、恵まれた自然条件と立地条件を生かし水田農業や数多くの銘柄園芸農業を積極的に展開しております。  
 平成18年度の県西地域の農業産出額は1、148億7,000万円で、うち畜産の産出額は235億8,000万円で農業産出額の20.5%を占め、畜産も盛んな地域であります。県全体に対する畜種別構成比では鶏(35.4%)、豚(23.5%)、肉用牛(16.6%)、乳用牛(15.0%)順になっております。   
 平成17年6月、水海道(現常総市)から発生した鳥インフルエンザは関係機関の多大な防疫活動のご協力により、平成18年6月23日終息宣言が出され、その後、今日まで監視強化の徹底により発生は確認されておりません。
 今後は的確な防疫対応、ADの清浄化対策、消費者に信頼される安全・安心な畜産物の生産のためにHACCP手法を取り入れた飼養衛生管理の普及・定着等を進めてまいりますので、関係各位のご協力・ご支援をお願いいたします。

 この度、肉用牛研究所長を拝命いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 肉用牛を取り巻く状況は、引き続き厳しいものがあります。こうしたなか、当研究所では、以下のような研究を行ってまいります。まず、優秀な黒毛和種種雄牛の造成であります。咋年は、大規模F1一貫生産農家からトップクラスとの評価を頂いた「舞花桜」や、検定牛15頭の平均BMSbェ7.3という抜群の成績であった「北国関7」といった種雄牛を送り出すことができました。本年もそれらに負けないような種雄牛をつくってまいります。次に、常陸牛の脂肪酸組成やうま味成分を分析して、飼養管理や遺伝子情報との関連を検証します。
これにより、常陸牛の美味しさの秘訣を明らかにしてまいります。常陸牛の評価は高く、価格的にもプレミアが付くといった状況になってきました。一層のブランド力アップに貢献したいと考えております。このほか、繁殖牛の増頭と自給飼料の拡大を目指した耕作放棄地放牧普及への協力、遊休農地のシバ型草地化実証試験等、これからも積極的に場外へ出て、情報を集め、皆様の声を反映させながら試験研究に取り組んでまいりますので、引き続き御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。