「常陸牛」はブランドですか? ときどき質問されることがあります。「鋭い質問だなあ」と思っています。地域の人や関係者はブランドだと思っても、一歩外に出てみると100年の歴史のある銘柄牛には届きません。全国のトップブランドの歴史に対抗するには常に新たな取り組みが必要になるかと思います。
  新たな取り組みをするなかで話題を喚起し、その積み重ねが蓄積して事業が展開できると思われます。
  常陸牛を推進する事業のなかに、県が提唱している「常陸牛ブランド確立推進事業」があります。この事業が茨城県、関係団体、指定店、生産者が一体となり「ブランド確立」に突き進む重要な柱となっており、「茨城のイメージ向上」に大きく役立っております。
  そんな中、今回は初めての試みとして、11月26日(月)、常陸牛生産者指定農場を視察して、水戸市「三の丸ホテル」において、推奨店のレベルアップを図ることを目的とした常陸牛販売推奨店研修会を開催しました。
研修内容
  1、「常陸牛ブランドアップに向けた推進施策」について、県の方針と取り組み姿勢を県畜産課から説明していただきました。
(県がブランド化に強力に力を注いでいることを理解していただいたと思います。)
  2、「常陸牛振興協会の概要と日常業務」については、当協会の組織や日常の業務と年間の事業計画について報告し、また、当協会の成り立ちや歴史、県内の和牛の概要等についても報告しました。
  3、「常陸牛指定生産者農場」視察
  県畜連肉用牛振興研修農場を視察しましたが、参加者のなかで初めて黒毛和牛を見たのは約半数でした。農場では約670頭が飼育されていますが、これを通常3名で管理しています。参加者は導入から出荷までの月齢や一日の餌の量、費用など熱心に質問していました。何より牛の大きさにはびっくりしていました。  
  意見交換では、推奨店では今、焼肉に必要なレバーやタンなどの副産物の需要が多く、なかなか手に入りづらいので、何とかできないかとの意見が出され、焼肉店の苦労の一端がみえました。
  また、実際の枝肉を見て、肉の見方の勉強会を食肉市場等で実施してほしいとの要望もありました。

  今回は、80店舗に案内しましたところ、最終的には11店舗の参加と少なかったものの、実際の現場を体験してお互いに話し合いのできる研修ができたものと思います。
  今後は、実施時期や案内の通知を早めに行い、更には研修内容も工夫して充実した研修にしたいと思います。また、「常陸牛ブランド確立」に向けた推奨店の役割は益々重要になってきていることから、店のレベルアップを図るため、毎年研修会を開催したいと思います。
  今後とも「常陸牛」の名声を高めるため、県をはじめ関係団体が一丸となって取り組んでまいります。

○「常陸牛」のキャンペーン実施状況と今後の主な予定
  ・冬のおいしさキャンペーンを実施
    2007年11月18日(金)〜2008年1月13日(日)
  ・常陸牛生産者を対象とした試食会・研修会
    2008年2月中旬予定
  ・第34回常陸牛枝肉共励会
    2008年2月28日〜3月3日
      (東京都中央卸売市場)